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福山自動車時計博物館FACM特製手描き風デザイン 古のトライアンフTR4親子T

福山が誇る不思議空間。展示のクラシックカー・ヒストリックカーに濃密スキンシップ可能な太っ腹博物館。窓の外にはマッカーサーと吉田茂が見える。お土産Tシャツがあまりに可愛く安いのでまとめ買い

執筆者:久米 信行

博物館が見つからない?そこにあったのは...

博物館の前には壊れた雪上車。後ろにはオーナー所有の高層マンション
博物館の前には壊れた雪上車。後ろにはオーナー所有の高層マンション
そこはシュールな場所でした。

カーナビ通りに、福山自動車博物館を訪ねたつもりなのですが、ゴール付近に、それらしき建物が見当たりません。

しかしそれは目の前にありました。壊れた雪上車が傾いて置かれているのが、実はお目当ての建物でした。その横に駐車場の案内があったのです。

そして、駐車場の隣には、リゾート風タイル張りのしゃれた高層ビルがそびえ立っています。その屋上看板に「福山自動車時計博物館」と書かれているのを発見しました。

おお、ここか....とビルの正面に回ったのですが、そこはまぎれもないマンションでした。

謎は深まるばかり。

とりあえず、クルマを駐車場に停めると、道路をはさんだ向かい側に、またもサプライズが隠されていたのです。


駐車場には消防車とボンネットバスがいっぱい

かつては大きな工場などで活躍していた消防車たち
かつては大きな工場などで活躍していた消防車たち
駐車場の前に、また大きな屋根つき駐車場が2つほどあって....そこには驚くべき車たちが並んでいたのです。

まず、一つめの駐車場は消防自動車の大群です。

ほとんど、名作絵本「しょうぼうじどうしゃ じぷた」の世界なのです。ボンネットも誇らしげな、いにしえの消防自動車の数々。

しかも、それぞれの消防自動車には、誰もが知っている鉄鋼会社などの名札がついています。おそらくかつては、大きなコンビナートなどで活躍、いや所有されていても出動はしなかった社有消防自動車だったのでしょう。

そしてもう一つの駐車場には、「いっなっかあのバスは♪」と歌いたくなるような、楽しいボンネットバス。これも、どこからか払い下げか寄付されたのでしょう。

そんな彼らの安息の地が、この博物館前駐車場だったのです。

とはいえ、彼らは館内に飾られているわけではないので、言わば見放題の状態です。そして、きれいに磨かれるでもなく、錆びるものは錆びると....自然のままの姿でいるのです。

ある意味では、もののあはれを感じる芸術的なディスプレイです。


館内はなんでもありのワンダーランド

クラシックカーとアンティーク時計がぎっしり展示。そして
クラシックカーとアンティーク時計がぎっしり展示。そして
平日の朝ということもあって、予想通り、観客は私1人でした。お2人の親切な紳士淑女が、お出迎えをしてくれました。

料金は900円ですが、JAF会員証やトヨタカードで200円割引。ホームページは優待券もあります。

意外なほどこじんまりとした館内と、フツーの学芸員や空間プロデューサーなら卒倒しそうな過密な展示を見て、失礼ながら、最初は料金がちょっとお高いのでは...と思いました。(ごめんなさい。)

しかし、実は、この後、私は「時のたつのも忘れる」ことになるのです。

パーツのひとつひとつまで、あまりに美しいクルマの数々に見とれ、魂まで抜き取られそう。そこで、おそるおそる尋ねてみました。

「写真を撮ってもいいですか?」


歴史的クルマの窓から歴史的人物が見える

マッカーサー元帥と吉田茂首相の笑顔が素敵です。
マッカーサー元帥と吉田茂首相の笑顔が素敵です。そして
「もちろん。どうぞ。」

おお、なんと寛大なことでしょう。私は車にカメラ付ケータイを撮りにかえり、しゃがんだりのびがったりしながら、あらゆる角度で写真を撮り始めました。

すると....ガイドの女性がやってきて....怒られるのかと思いきや....

「どれも乗っていいですよ。」

うわ!....ほんとですか?と聞き返す前に、戦前生産のフォードのドアをキーッと開けていました。うっかり乱暴に扱うと壊れそうなドアノブです。

カウンタックの運転席に座った時なみの衝撃!今ならばありえないドライビングポジションに非日常回路が働き始めます。

それこそ、次から次に、ドアを開けては乗り込む私。

真っ赤なダットサン昭和10年ハート型フェートンの、そして昭和36年式SPL213ダットサンスポーツの美しさに息を呑みます。

豪州ラリー優勝の名車、左ハンドルのダットサンスポーツに乗り込むと、なんと目の前には、マッカーサー元帥と吉田茂首相の姿が見えます。最初は違和感を放っていた、歴史上の人物の蝋人形も、こうして見た事もないクルマのインパネの向こう側に浮かび上がると、身になじんで見えるのが不思議です。

いよいよ、この非日常空間になじんで、貴重なコレクションを独り占め。ここぞとばかりに、写真でしか見たことのない歴史的名車の数々に乗り込んでいくのです。

そして....私の大好きなクルマが目に飛び込んできました。


 >>>そこで見つけた憧れのクルマとTシャツは???
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