■Tシャツ民度は笑えるTシャツの量に比例する
もしTシャツ民度なるものがあるとすれば、おそらく、その先進度は、笑えるTシャツの生産量と、それを着る人の数に比例することでしょう。パーティにTシャツで行ってもオトガメのない先進国?アメリカは、その手のおふざけTシャツの宝庫と言えます。
例えば、今なら、ブッシュかゴアと入れて、Tシャツの検索をしてみれば、大統領候補すらパロってTシャツにしてしまう文化を目の当たりにすることでしょう。もっともクリントンTシャツ(+例の女性)の数々には負けてしまいますが....
ところかわって、わが国を見れば、毎年数千種のTシャツをお作りしている私たちでさえ、その手のTシャツを見ることは、まだ珍しいこと。なにしろ、マッドアマノ氏のコラージュや、人気アニメキャラを掛け合わせたTシャツまでも問題とされる国でありますから。
■TVでは変なTシャツが使われ始めた
ウリナリでドーバー海峡横断部の和柄T?がシンボリックに使われたり、パパパパパフィで一瞬Tシャツバトルが行われたりして、少しずつTシャツで笑う番組が見え隠れ。
最近注目しているのは、チャラのダンナ様が出ているKDDIのCMポスター。あの、キモイ顔がプリントされたTシャツは、なぜか顔が見えない女性モデルを上目づかいに見つめています。あのTシャツはぜひ欲しい。
それから、先日、ネプチューンの深夜番組を見てびっくり。シティボーイズのきたろう氏に対して失礼千万なインタビューをしたホリケンが、きたろう先輩に殴られ、泣きながらシャツを脱ぎすてると.....そこには「I LOVE きたろう」の肖像写真入りTシャツが.....本当は好きだったんだよおってわけで。こんどはきたろう氏までもTシャツ姿になると、そこには「I LOVE ネプチューン」の肖像写真入りT。どちらも絶対欲しくないデザインで素敵でした。
■ホントの笑いはミニコミ、ネットコミの中でこそ
でも、誰もが知っているキャラクターが生み出す笑いより、わかる人だけわかるコソコソ笑いにこそTシャツは一役買います。
例えば、現代詩人 谷川俊太郎先生が、詩の雑誌ミッドナイトプレス読者向きに作ったTシャツはすごかった。詩が書いてあるだけでも強烈ですが、その題名は「おならうた」 もはや笑っていいのか悪いのかすらもわかりません。これを着て街を歩いて、反応を楽しむこと自体がアートだとも言えます。ちなみに限定生産で完売でした。
それから、荒俣 宏氏も絶賛し見ほれる脱力系サイト「やぎの眼」。林さん夫妻が冗談で作ったようなサイトですが、いつのまにか同好の人々の心をつかんでしまいました。その林さんの知る人ぞ知る伝説のトークライブに合せて作ったのが、脱力系アイコンTシャツ。これぞ、そのサイトでつながる脱力人種たちのお笑い心を結び付ける、超ウチワ受けTに他ならないのでした。
■アジアのお笑い漢字Tシャツに学ぼう
さあ、少しはお笑いTシャツを作り着るための心の準備ができてきたでしょうか?まだ踏み切れないあなたのために、アジアの人たちが勇気とヒントを与えてくれます。
もとはといえば、日本人だって、妙な英語や、変な外国人の名前をTシャツにして、無意識に笑いをとっていたじゃないですか。さあ、勇気を出して。
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