男のこだわりグッズ/手帳・ノート

何より自由に使える器としての文具王手帳(2ページ目)

文具王高畑正幸氏が、既存の手帳の不満点をどうにかすべく、自分の使いやすさに特化してオーダーした手帳が市販されることになりました。それは、使う人の自由なアイディアを受け止めてくれる手帳です。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

面ファスナーとゴム紐とストラップ



ベルクロのオス面を携帯電話などに貼っておく事で、自在に手帳に装着が可能になる。文具王流ベルクロハックである。(写真提供:文具王)

文具王手帳の表紙の片側は、全面が面ファスナー、いわゆるベ ルクロになっています。文具王のベルクロハックは一部では有名ですし、アメリカなどでも普通に行われているように、良く使うものにベルクロを貼っておけば、簡単に文具王手帳の表紙に装着出来るわけです。携帯電話やキーケースなどを、表紙に貼り付けておけば、持ち歩く際に便利だし、忘れ物も減るかも知れません。iPod nanoなんかを貼り付けておくのも便利そうです。貼られているのはベルクロのいわゆる「メス」側なので、触ってもトゲトゲせず、布製品などがくっついて困る事もありません。


ベルクロの貼り方も含め、薄く仕上げるための工夫があちこちに仕掛けられている。

このベルクロが無いバージョンは無いのかと、文具王もよく聞かれるそうですが、それは無いのだそうです。実際、ベルクロは表紙の革に直付けされていて、厚みが出ない工夫もされていて、単にベルクロを外せば良いというものではないようです。このベルクロ部分だけでなく、全体に、コンパクトにスリムに薄くするための工夫がされていて、実のところ、この文具王手帳の本当の凄さは、機能面よりも、それだけの機能を収納して尚、このサイズに収まっている、ということだと思うのです。


表紙を留めるゴムバンドは交換が簡単。また、筆記具をゴムバンドで留めておくといった使い方も可能だ。

また、表紙を留めるゴムバンドが付属しているのですが(そのこと自体は、もう珍しい事ではないのですが)、このゴムバンドは、簡単に取り換えられるようになっています。これはモレスキンなどを長く使っている人には分かると思いますが、ゴムはかなり早く劣化するので、その対策なのですね。緩くなれば簡単に交換出来る、というのは、細かい事ですが凄く重要です。細かい部分で言えば、システム手帳のリング部分は、畳んで挟んだA4用紙に当たらないようになっています。これもちょっとした事ですが、後でA4用紙をスキャンしたりファイリングする際に、リング跡が残らないのは快適です。


オプションのストラップは、手帳の四ヶ所に付けられたD管に装着。縦にも横にも掛けられるわけだ。

さらに別売の「ショルダーストラップ for 文具王手帳」(1890 円)を装着出来るようになっていて、これが便利です。「即使いたい」というのも文具王の手帳に求める機能で、だから当然のようにストラップを付けるという発想が出てきます。その場合、好きな方向でストラップを装着出来るように、D管が四ヶ所に付いているのが、文具王手帳らしさと言えます。何となく便利そうだから付けた、ではなく、どういうシチュエーションで使うか、それがはっきり見えているからこそ、D管は四ヶ所あるし、ストラップも1340mmもあるのです。

このストラップは意外に使えるもので、ガイド納富は雨の日や荷物の多い日にとても重宝しています。また、カバンの中に入れておく際の盗難防止及び、カバンの中での見つかりやすさも最高です。そんな便利なストラップですが、手帳として使う際に邪魔にならない、使わない人の事も考えたD管の配置になっているのは良いですね。そういう部分に作り手の冷静さを感じて、頼もしく思います。また、使い方を固定しない、つまり、文具王本人も長く使う事を想定した設計になっているのが、このことからも伺えます。

ガイド納富の「こだわりチェック」



例えばガイド納富は、展示会の案内などのハガキが文具王手帳に入らない事が不満だったのですが(あと5mmほど幅が広ければ入るんです)、一方 で、そのバイブルサイズのリフィルが入れられるとは思えないスリムなスタイルも気に入っていて、この横幅が広がるとジョッター機能が使いにくくなるなあとか、考えると、ハガキはScanSnapで読み取ってA4用紙にプリントアウトすればいいや、とか解決策を思いついたりもしています。


開きが良くて、リフィル下の凹凸も少ないなど、記入時の使い勝手も考えられている。

実際、持ち歩くと、例えば地図を挟み込んだ場合にも、カンガルーホルダのおかげで、しっかりと片側が固定されていて、道での地図の広げやすさはこれまでにない快適さでしたし、リフィルの下の凹凸が少ないので、手帳そのものへの記入もとてもスムーズ。ゴムは手帳だけでなく筆記具も留められるし、D管に好みのストラップ(ガイド納富は星新一展で購入した「ホシヅル」ストラップを装着)を付けられるしと、とても重宝します。この五年くらいの文具王の手帳に関する考えを全て搭載したというだけのことはあります。


カンガルーホルダにはルーラとペン差しも装備されている

何より、使い方に縛られない自由度の高さは魅力で、どちらかというと使い方を縛る方向にあった手帳が、自由な方向に戻ってきた気がするのが嬉しいのでした。その便利さと自由度を考えたら、多少女子受けが悪かろうと、ベルクロが使いこなせなかろうと、そんな事は大した問題ではありません。それを遥かに上回る便利さと、使っていてワクワクする感じは、他の手帳では味わえません。ああ、そのあたりが、確かにスパイ手帳に似ているのかも知れません。

<関連リンク>
「文具王手帳」の購入は、スーパークラシックのサイトで
「ショルダーストラップ for 文具王手帳」の購入は、スーパークラシックのサイトで
文具王手帳製作秘話はこちら

文具王手帳同様、自由度の高さが嬉しい、cyproductの手帳カバーを紹介したガイド記事はこちら

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