上質のパターンオーダースーツが増えてきた!
OLD HATのパターンオーダースーツ。縫製工場との信頼関係から生まれた良質のスリーピーススーツです。価格143,000円。 |
ここ数年、質のいいパターンオーダースーツが増えてきた。欲しい人にしてみたら有り難いことですね。
最初に、一般的なパターンオーダースーツを簡単に説明しておきます。
●デザインのベースとなるパターン(型紙)が決まっている。
●ゲージ(サンプルジャケット)を着用後、お店の人がピンで留めていって体型補正する。肩幅、着丈、袖丈、反身、屈身、怒り肩、なで肩、O脚などの補正ができる。
●ジャケット/2ボタン、3ボタン、ダブル、スリーピース、トラウザーズ(パンツ)/ノータック、ワンタックなどのデザインが選べる。
●生地、裏地、ボタンの種類、ベントの仕様、裏地の仕様、袖口の本切羽、チェンジポケットの有無などが選べる。お店によっては衿幅やゴージの位置も変えられる。
●多くは縫製工場で縫われる。一部の工程を仕立て職人が縫うところもある。
●仮縫いがないところが多い。つまり2回目の来店で受け取ることになる。
●メジャーメイドと呼ぶところもある。
●納期は3週間~1ヶ月がほとんど。
●価格はツーピーススーツで、10万円位~15万円位が多い。アンダー10万円のものもあるが、最低でも7万~8万円位しないと技術面に不安を感じてしまう。ゼニアやロロ・ピアーナなどの一部の高級インポート生地になると20万円前後になったりする。
銀座のAZABU THE CLASSIC TAILORのテーラリングディレクター空井さんにゲージを着せてもらっているところです。 |
パターンオーダースーツの長所
フルオーダーに比べて価格が安い。
出来上がりが早いため、いまの季節のものをオーダーできる。
ゲージを着るため出来上がりをイメージしやすい。こんなはずじゃなかったという失敗が少ない。
レディメイド(既製品)に比べてサイズが合っていて、生地や裏地、ボタンなどが選べる。
ツキじわなどのマイナスのしわが出なくなる。
日本人に多い前肩があたるといった悩みをほぼ解決してくれる。ゲージを着用した段階で前肩があたらないほうがいい。
パターンオーダースーツの短所
フルオーダーに比べて体型補正に限界がある。
フルオーダーに比べて手縫いや、手によるアイロン工程が少なく、立体感に乏しい。
たとえ毛芯を使っていても注文主のために個別に作るのではなく、出来芯を使っている。
縫っている縫製工場名がわからない。縫製工場の技術力がどのレベルなのか判断できない。縫製工場の得意、不得意、癖がよくわからない。
お店によって、縫製工場によって、出来栄えに差がある。
お店によって扱う生地の種類が異なる。フルオーダーも同じですが・・・。
VESTAのサルトリアルマネージャー松葉さんにゲージを着せてもらい、ピンで留めてもらっているところです。 |
つまりパターンオーダーといってもさまざまで、どれだけ信頼できるお店に出会えるかが大切になってきます。あと、フルオーダーとは異なり、あまり体型補正ができないといわれています。
また、最初のデザインが崩れてしまうため、必要最低限の補正にとどめておくべきという意見もありますね。同じオーダーメイドでもフルオーダーとはまったくステージが異なるわけです。そんな理由からベースとなるゲージ、つまりパターン(型紙)がとても重要になってきます。
そんな大切なパターンですが・・・、
1. 縫製工場が用意したものをそのまま使う
2. 縫製工場のものをベースにして、改良を加えて使う
3. お店側が用意したものを使う
だいたいこの3パターンが多いようですが、どれがいいといったものではなく、サイズの合ったゲージを着用して気に入るかどうかが大切。ゲージを着用した段階でキツいと感じたり、前肩があたるなどの不満があれば、その後体型補正してくれるとはいえ、少し考えた方がいいかもしれませんね。
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