本当のナポリ仕立て
袖はいわゆる雨降り袖になっていて、カジュアルな雰囲気が漂う。撮影協力/Caid。商品とCaidは一切関係ありません。 |
余談だが、以前取材したことがあるコスタンティーノ・プンツォ氏は、「パターンオーダーで本当のナポリ仕立てができるわけがない」ということを言っていた。
それだけフルオーダー(注文服)のスーツは手間のかかる複雑な工程が多いということだろう。
さらにナポリのサルトの多くは型紙すら作らず、いきなり生地にチョークで線を描くといった、伝説めいた話をよく聞く。
師匠から受け継いだ技術、自ら探究してきた技術に加えて、経験による勘で仕立てている気がする。
サルトリア・カリエンドの工房風景。 |
ナポリのサルトたちは個々がさまざまな色彩を放ち、全体として淡く、美しく輝く星団のような感じがする。
なかには星になりきれなかったサルトたちもいるだろう。一般にその星団をひとまとめにして、ナポリ仕立てと呼んでいるのである。
サルトリア・カリエンドはそんなひとつの星にしか過ぎない。みんなが知っているビッグネームではないが、半世紀近く継続してきた実力のあるサルトリアである。
ナポリ仕立て風の既製スーツのブームは沈静化したかもしれないが、本当のナポリ仕立てはブームとは無縁の世界にあると信じたい。
もしナポリで続く伝統のサルトリアを探しているなら、この工房はおすすめである。
サルトリア・カリエンドは高級既製服ではなく、仮縫いも付くフルオーダーなのでそれなりの金額はする。
懐と心に余裕のある諸兄に楽しんで仕立ててもらいたい。
商品に関するお問い合わせは、
【Elegante e Elegante(エレガンテ・エレガンテ)】
http://www.elegante-elegante.com/
info@elegante-elegante.com