抽象的な絵柄は避けること

さて、ネクタイについても触れておきたい。素材は上質のシルクかウール(あるいはカシミア)、リネンとコットンに限る。まちがってもポリエステルものに手を出してはいけない。

加えてネクタイで個性を出そうなどと思ってもいけない。たとえ名のあるブランドものでも花柄や抽象的な絵柄は避けるべきだ。

また近頃では“セッテピエゲ”(7つ折り)のネクタイも登場し、生地や縫製も素晴らしいものが増えてきた。選ぶほうとしては嬉しいかぎりだ。

春夏に欠かせないニットタイ国内外もので1万円前後が平均価格帯だ。毎日違う種類のものを締めるとして1週間で6本は最低必要。できればその倍の15本前後を揃えて1ヶ月間を乗り切りたい。

揃え方としては、無地が半分、残り半分が小紋とレジメンタルストライプ。無地のなかにウールとニットタイもぜひ加えたい。セレクトショップあたりで、年に2回のセールを狙ってまとめ買いするのが賢明だ。


かならずディンプルを作ろう

ディンプルよくネクタイの結び目の下にエクボを作っているが、これは“ディンプル”と呼ばれるテクニックである。

1980年代はニューヨーク・デザイナーのアラン・フラッサーの啓蒙もあってネクタイの結び目は小さく、キュッと締め上げてはっきりとしたディンプルを作ったものだ。現在はもっとソフトに結んでディンプルを演出するのが主流になりつつある。


ここで気をつけたいのは、ディンプルを作った後によく左手の親指と人さし指を使って、結び目付近(三角形部分)を左右からつまんで形を整えてしまうが、むしろ前後から少し押し潰す感じで整えるのがコツだ。そうするとフワ~っとした優雅な仕上がりになる。

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