スーツ・ジャケット/スーツ・ドレスビジネス

フランネルスーツの季節です

冬のスーツ素材として、昔からあるフランネルが再評価されています。生地の表面に細かなケバが立ち、ふんわりやわらかいうえに温かさも抜群。見た目に光沢がないぶん落ち着いた印象で、冬スーツにぜひ!

池田 保行

執筆者:池田 保行

メンズファッションガイド

冬のスーツはフランネルに限ります

フランネル
柔らかい風合いが着心地も、見た目も抜群です photo:石井幸久(m.m.blue)
最近は、冬でもモヘア混の生地を着る人が少なくないようです。ショップやブランドでも、トレンドとして推しているところもあります。そういう面白いチャレンジはキライではありません、むしろ大好きですが、そうはいっても冬は寒い。スーツの冬生地といえば紡毛系のものこそグローバルスタンダード。そこで冬のビジネスマンには「フランネル」のスーツをおすすめします。

平織り、または綾織りのウール生地を縮絨して起毛加工する「フランネル」は、厚手になると「メルトン」、薄手になると「サキソニー」と呼ばれます。最近ではカシミヤやアンゴラなど、高級獣毛を混紡したものもあり、こちらはさらに保温性が高く温かさも格別です。タッチも柔らかくなるうえ着心地も軽くて快適そのもの。こんな高級フランネルなら、冬でもコート要らずで過ごせます。

女性へのアピール力もあるんですよ。その柔らかそうな表面感は見ているだけでも温かそうなので、傍らの女性に「触れてみたい」と思わせるようです。デートのときなど、フランネルスーツを着ていると彼女との距離がぐっと縮まるかも…。

このフランネル、かつての英国では寒さの厳しい地域で愛用されたことから、カントリージェントルマンの基本服とされてきました。そのためヨーロッパの他国では「田舎くさい」と敬遠されていたようです。しかしお洒落上手で知られる英国貴族、エドワード8世・ウィンザー公が愛したことで「フランネル=お洒落」と広く認められるようになりました。「スーツの生地は艶と光沢」という考えは、イタリア的なトレンド観によるものなので、英国的トレンドに則ればばツイードやフランネルこそ冬の定番。今年の冬こそ、フランネルに挑戦してはいかがでしょう。

次のページでは、具体的にフランネルのスーツでご説明します。
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