細部までこだわり抜かれた展示施設
根津美術館 正門からのアプローチ 写真:藤塚光政
新しい展示施設は、六本木のミッドタウン内にあるサントリー美術館や、築地のADK松竹スクエアなどを手がけた日本を代表する建築家、隈研吾の手によるもの。竹など自然の素材を生かした建築で知られています。この根津美術館の展示施設は、以前よりあった庭園が映えるように設計されたそう。この展示施設、見どころがたっぷりあるんです。
表参道からみゆき通りを歩くと見えてくるのが根津美術館の門。ここに入るとまっすぐに伸びるプロムナードが出現。那智里の石と竹に囲まれた直線の道は、賑やかな表参道の雰囲気が一気に吹き飛ぶ神聖な雰囲気で、歩いていると思わず背筋が伸びてしまいそう。冬の日の午前中や、秋の夕暮れなど、日によって木漏れ日(竹ですが)の加減が変わるのも素敵です。
そして、プロムナードを歩き終えると突然現れる美術館。大きな斜め屋根がインパクト大です。敷き詰められた瓦も迫力たっぷり。
根津美術館 1階ホール 写真:藤塚光政
さらに、美術館に足を踏み入れると一面ガラス張りの空間! 中国やガンダーラの石仏が、ガラス越しに見える庭園の緑に引き立てられ、とても美しい姿。展示室に入る前から、さまざまに楽しめることばかりです。
展示施設のこだわりは、外観や導線だけではありません。企画展示室を含めて6つある展示室は、それぞれ作品がもっとも美しく見えるようにそれぞれ照明(ケース内のベース照明は全てLEDライトだそう)や天井の高さなど趣を変えています。特に照明は、絹や漆などさまざまな素材を、最良の状態で展示できるよう、細やかな調整ができる最新の技術を用いているそう。
展示室は、すべて内装が違います。来てたしかめてみて!(写真は展示室4)
たとえば、中国古代の青銅器を展示する展示室4は、青銅器が一番美しく見えるよう、照明の色味や向き、ケースの配置などを特別に調整。また、茶道具の展示室6には、展示ケース内の台に畳を用いたり、旧収蔵庫で使われていた木材や、聚落土(じゅらくつち、塗り壁で使われる土)を用いた茶室ケースを採用したりと、美術品を収蔵し展示するという美術館本来の機能にも、徹底的にこだわった作りになっています。
四季の移り変わりも楽しめるカフェ
人気のミートパイ&サラダ(シングル)650円。コーヒーと一緒にセットでどうぞ
展示施設から庭園を散策する途中に、ほどなくあらわれるのが、展示施設と同じく隈研吾設計によるカフェ「NÉZUCAFE」。自然光を取り入れた明るいカフェのオススメはカフェオリジナルのミートパイ。さっくりとしたパイ生地の中に、しっかりとした肉が入っており、じっくり美術鑑賞したあとに心地よいおいしさ。
そして、大きな窓から見える美しい庭園の景色の美しいこと。広大な庭園の風景は、東京の中心とは思えない荘厳なもの。四季折々の移り変わりを、楽しむことができるんです(人気のカフェなので、休日は時間に余裕を持って訪れることをおすすめします)。