男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

バーゼルを沸かせたロレックスの革新(3ページ目)

新設計の複雑時計をはじめ、有名な耐磁時計やGMT時計をもって、その実力を認識させたロレックス。永遠の古典という、不動の地位を保ちながら、革新への意欲が再び強く表れ、今年はなにかが違うと痛感させられた。

執筆者:菅原 茂

見えないところで展開する技術革新

もう一つ興味深い新作が、「オイスター パーペチュアル ミルガウス」。もともと1950年代に開発された耐磁時計に、新たな技術を凝らした次世代モデルだ。

耐磁時計は、強力な磁場にさらされる環境で働く科学者やエンジニア、技術者のために考案された。多数の金属部品でできた機械式時計は、磁気の影響を受けやすい。それを排除して精度と機能を維持するのが、この耐磁時計である。現代の日常生活は、当時とは比較にならないほど周囲に磁気があふれているので、耐磁時計の意味も大きい。今回、磁気に注目したのも、究極の実用時計を目指すロレックスらしい。

「オイスター パーペチュアル ミルガウス」
「オイスター パーペチュアル ミルガウス」は、時計の基本性能の向上を、耐磁の観点から突きつめた秀作。文字盤やガラスの色遣いも新鮮だ。ステンレススティール。自動巻き。予価73万円。今秋発売予定
「ミルガウス」とは、フランス語で1000ガウスという意味。今回の新製品は、さまざまな点で改良が施されている。まずムーブメントの部品である。時計の心臓部にあたるテンプに、「ヨットマスターII」と同様に耐磁性の「パラクロムヒゲゼンマイ」、脱進機に常磁性素材のガンギ車を採用。さらにムーブメントを保護する磁気シールドは、強磁性の合金から作られ、高い防水性を備える有名なオイスターケースの内側に取り付けられている。

こうして見えない部分に発揮された技術もすばらしいが、新世代「ミルガウス」もまた、デザインが魅力。磁気をイメージさせる稲妻形の秒針、記念モデル(写真のモデル)にあしらわれたカンパニーカラーのグリーンのサファイアクリスタルなど、新世代のモデルにふさわしい意匠が施されている。

【ロレックスの問い合わせ先】
日本ロレックス株式会社 広報課
TEL03-3216-5671


※2007年6月6日より、All Aboutマガジンの「For M」と「For F」で2007年バーゼル・ジュネーブの特集を掲載します。「男の腕時計」ガイドの菅原 茂氏と「ジュエリー・時計」ガイドの本間恵子氏が最新の時計事情を解説していきます。こちらも合わせてご覧ください。
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