男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

時計のケースとフランク・ミュラー(2ページ目)

腕時計のケースの形は大半が丸形。角形や「トノウ」と呼ばれる独特の樽形などもある。フランク・ミュラーは、こうした形をデザインに取り込んで斬新な美学を確立したことで有名。そのルーツは20世紀はじめに遡る。

執筆者:菅原 茂

長方形、正方形、樽形ケースの美学

レクタンギュラー
レクタンギュラータイプのフランク・ミュラー「ロングアイランド」。イエローゴールド、自動巻き、199万5000円
角形ケースには大別して二つがある。まず、「レクタンギュラー」と呼ばれる長方形ケース。このタイプには、ちょっとしたくふうを加えたものがある。

それは、手首のカーブに沿うように、ケース自身を湾曲させている点である。横から見るとバナナのようにしなっていることから「バナナ・ウォッチ」という愛称も生まれた。現代の製品では、フランク・ミュラーの「ロングアイランド」はその代表の一つだ。

カレ
スクエアタイプのフランク・ミュラー「マスタースクエア」。イエローゴールド、自動巻き、141万7500円
もう一つの角形は「スクエア」またはフランス語を用いた「カレ」またと呼ばれる正方形ケースである。「レクタンギュラー」同様、腕時計の最も初期の頃から見られる形だが、幾何学的なラインが好まれたアール・デコの時代には、いろいろなスタイルの正方形がデザインされた。

現代も、大型時計のトレンドとともに、それが復活している。フランク・ミュラーの「マスタースクエア」のように、正方形独特の均整の取れた美しさが、新しい魅力を発見させる。

トノウ
トノウ・カーベックスのフランク・ミュラー「カサブランカ」。ステンレススティール、自動巻き、91万3500円
三番目に取り上げるのが「トノウ」。これは、厳密にいえば角形ではないが、腕時計草創期の典型的なデザインの一つ。これは、「レクタンギュラー」の左右のラインを外側に緩やかに膨らませた形をしており、ワイン樽を思わせることから、フランス語の「トノウ(樽)」が伝統的に用いられている。

このデザインを1990年代に復活させ、センセーションを巻き起こしたのがフランク・ミュラー。ケースの形ばかりでなく、文字盤の数字などにも当時の意匠をふんだんに採り入れ、アンティークのような雰囲気を最新の時計ファッションに変えた功績は大きい。

【フランク・ミュラーの問い合わせ先】
フランク・ミュラー東京(フランク・ミュラー ジャパン)
TEL03-3549-1949
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