いわば手に入るミュージアムピース

IWCがスイス北東部、ライン河畔の小さな町シャフハウゼンに創業してから140年が経った。昨年は社屋の正面玄関に大規模なミュージアムも開設し、あらためて豊かな歴史を振り返ったIWCだが、この春に発表された「ヴィンテージコレクション」は、ミュージアムでも目にすることができる20世紀の傑作腕時計から選りすぐりの6点を復刻したもの。
IWCヴィンテージ
140周年記念「ヴィンテージコレクション」の原型となった6本のオリジナル腕時計。右上から「インヂュニア」「ポルトギーゼ」、中上から「アクアタイマー」「ポートフィノ」、左上から「パイロットウォッチ」「ダ・ヴィンチ」

年代順に記せば、1930年代の「ポルトギーゼ」と「パイロットウォッチ」、1950年代の「インヂュニア」、1960年代の「アクアタイマー」と「ダ・ヴィンチ」、1980年代の「ポートフィノ」の6モデルである。ご存じのように、同じ名を関した現代モデルもそれぞれに存在しているわけだが、これらの復刻は、時代時代でIWCが取り組んできた技術やデザイン・スタイルの両面を知る上でなかなか興味深い。

ただし、誤解を避けるために付け加えるならば、復刻といっても、デザイン、サイズ、ムーブメント、機構などすべてがオリジナルの完全レプリカというのとは違い、あくまでも初期モデルのデザインをほぼ忠実に再現しながら現代時計としてのアレンジが施されているのは、他のブランドの復刻の事例と変わりない。そこが少々物足りなく感じられるピュアな「インター」ファンなら、正真正銘のアンティークのほうをお勧めする。あくまでも「ヴィンテージコレクション」は、市販されるミュージアムピースといった感覚で理解するのが正解だろう。

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