悲願のディーゼルモデル再導入
プレミアムSUVのMクラスに追加設定されたML350ブルーテック 4マチック。最新の3リッターディーゼルターボエンジンと排出ガス処理システム(ブルーテック)を備える。サイズは全長4790×全幅1935×全高1815mm、価格は814万円となる |
欧州最新ディーゼルターボ車の実力のほどは、M・ベンツの“努力”もあって、徐々にではあるけれど日本でも認められつつある。長距離移動での驚異的な燃費のみならず、街乗りでも案外良かったり(同クラスのハイブリッド車に比べても)するし、何より低回転域からの“もりもり”トルクが運転を楽しく感じさせてくれることを、体験者は知っていて、そういう風聞がじわりと広がりつつあるからだ。
他の欧州メーカーは、今のところハイブリッドモデルを積極導入する姿勢をみせているが、両方に力を入れているのは事実上、M・ベンツだけである。
そんなM・ベンツの、Eクラスに続くディーゼル第二弾が、SUVのMクラスだ。実は以前、初代Mクラスでディーゼルモデルがあった。また、クロカンSUVには昔からディーゼル愛好家が多い。重量が重いため、トルク重視のエンジン性能が欲しいからだ。
M・ベンツにとっては、悲願とも言えるMクラスディーゼルの再導入。とりあえず左ハンドルのみでの発売となったが、待ちに待ったという人もそれなりにおられるだろう。
最新の排出ガス処理システム、ブルーテックを採用。これは排出ガスに尿素水溶液(アドブルー)を噴射して窒素酸化物(NOX)を大幅に削減する尿素SCR(選択型触媒還元)を備え、排出ガス中の窒素酸化物を大幅に低減する技術。アドブルーは1000kmで1リッター消費される |
個人的には、ハードな四駆乗りにはともかくも、SUV=ディーゼルというイメージが強く出てしまうことは、ディーゼルをより一般化しようとするうえで、マイナスな場面も出て来るんじゃないか、と思っている。いかにも昔ながらの、“がらがら、ぷんぷん、もくもく”なディーゼルエンジンのイメージとSUVのでかくてごついカタチがだぶって見えてしまうような気がするからだ。
ディーゼルエンジンへの免疫がまだまだ未完成の日本では、スポーツカー=ディーゼルくらいの組み合わせで突き抜ける方がいいと思う。ニッチ×ニッチじゃあ、広がるもなにもないじゃないか、という意見も分かるのだけど……。
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