目を見張る居住性と積載性の向上
7年ぶりにモデルチェンジを果たしたステーションワゴンモデル。サイズは旧型より全長15mm/全幅35mm大きくなった、全長4900×全幅1855×全高1500mm(E350ブルーテック)。小排気量直噴ターボエンジンを搭載したE250CGIブルーエフィシェンシー(669万円)から、5.5リッターのE550アバンギャルドまで6モデルを用意。最新クリーンディーゼルエンジンを搭載しエコカー減税にも適合するE350ブルーテック(833万円)も導入された |
パーソナルユースのミドルクラス以上ステーションワゴンというカテゴリーは、一般的にはもうほとんど見向きもされなくなってしまったようだ。国産車のラインナップを見渡してみて欲しい。セダンが少なくなってしまった&ミニバン/SUVが豊富にある今、やっぱりワゴンの存在理由がはっきり減っている。この様子は、アメリカも同じである。
セダンのように曲がりくねった高速道路を快適かつ高速で走れて、荷物をたくさん(場合によってはミニバンより実質的に多く)利便よく積めるステーションワゴンは、古くから非常に欧州的な存在だった。だから、今でも格好いいワゴンが沢山あるし、一時のブームが去ってめっきりその数も減った日本でも、特にドイツプレミアムブランドのステーションワゴンは、一定の人気を保っているのだと思う。要するに、われわれ日本人は肌感覚でさとっているのだ。ステーションワゴンこそ欧州車スタイルである、と。
王道を行くのが、メルセデス・ベンツEクラスのステーションワゴンである。Cクラスや3シリーズのようにその下のクラス(欧州Dセグメント)も人気があるが、ラグジュアリィでハイスピード、ロングディスタンスをこなすGT的イメージで乗れるのは、やはり欧州Eセグメントのワゴンだ。Eクラスステーションワゴンはその頂点であり、5シリーズツーリングやA6アバントがそれに続く。
ラゲージ容量は通常655リッター(E350ブルーテックは627リッター)から最大1910リッター。自動開閉テールゲート、テールゲートと連動して自動開閉するルームカバーなど多彩なEASY-PACK機能を備える |
そんなEクラスステーションワゴンが現行世代へとモデルチェンジを果たした。基本的にはCクラスがワゴンを追加したときと同じ考え方、つまり、以前に比べると積載重視の、よりワゴンらしいクルマに仕立てることをコンセプトに作られているようだ。
そのことは、スタイリング、なかでもエンドピラーの形状を見ればすぐに分かる。ルーフから根元に向かって細くなっている、ということは、それだけルーフエンドを後に伸ばしたということ。ボディサイズ的にもひと回り大きくなって、全長に至っては4.9mに達したから、居住性と積載性の向上には目を見張るものがある。
Cクラスステーションワゴンもそうであったように、EASY-PACKという機能装備もあって、“荷物積み”には非常にありがたい一台となった。テールゲートは全車、オート開閉可能である。
シフトはSクラスにも採用されているステアリングコラム(ダイレクトセレクト)となり、パドルシフトを備えた7ATを搭載(E250は5AT)。操舵角に応じてステアリングギア比を変化させるダイレクトステアリングが採用される |
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