アグレッシブな最新ボルボ顔にチェンジ
2010年4月のマイナーチェンジにより、新デザインのフロントマスクを備えたクーペカブリオレモデル。サイズは全長4615×全幅1835×全高1405mm。国内では2.5リッター直5ターボエンジンを搭載するT5 GTのみをラインナップし、価格は549万円となる |
ボルボC70がマイナーチェンジした。ポイントは何と言ってもエクステリアの変更。フェイスリフトというよりもフェイスチェンジというべきほどで、相当に印象が変わった。
ボルボのコンパクトハッチバックモデル、C30。こちらも2010年2月にマイナーチェンジを受け、フロントマスクのデザインを変更した |
もうひとつ、プラットフォームを共有する兄弟車(C30、S40、V50、C70)でほとんど同じ顔つきだったものを、それぞれ違う個性をもたせるようにした点も大きい。特にスペシャリティ感を出したいC30とC70には、嬉しい戦略である。
ややこしいのは、C70という名称だ。以前、このクルマはV70と同じクラスのクーペモデルだった。すなわち欧州Dセグあたりに位置していた。そのままの名前を継承するものの、現行型のC70は明らかにその下、欧州Cセグメント寄りのクルマである。S40&V50がベース(ということはマツダアクセラと同じクラス)だから、それは隠しようのない事実。そう考えると、VWイオスやプジョー308CCがライバルと言えそうで、C70日本仕様が2.5ターボを積むことを考慮すれば、今はなきイオスの3.2V6モデルが好敵手だった。
試乗会では欧州Dセグメントの、それもプレミアムDカブリオレ(たとえばアウディA5やBMW3シリーズ)に比べて“安い”ことが強調されてはいたが、それは当然のことであり、クラスを適切に考えてみるとお買い得というほど安くはないことが分かる。
もっとも、そんなセグメント論に振り回されず、ほどよいサイズと十二分のパワフルさ、そして装備や安全性(それがボルボだ! という人は多いはず)を考えてバリューがある、と思った人が検討する、つまりは賢者の選択にみえるあたりが、ボルボの魅力であったりもするのだが。
スチール製の3分割リトラクタブル・ハードトップは約30秒で開閉可能。トランク容量はクローズ時で404リッター、オープン時でも200リッターを確保する |
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