日本のユーザーのために出展を決意
そろそろ本題に入ろう。今回の東京モーターショー、ガイシャがゼロ、というわけじゃない。まず、独立系インポーターがアルピナ、ロータス、ケータハムという3ブランドを出展した。逆にいえば、本社管轄の現地法人系にはストップがかかったということ。各社とも、日本側としては出たかった、が本音なんだろうと思うし、思いたい。アルピアB6Sをベースとしたレーシングカー、アルピナB6GT3。FIA GT3ヨーロッパ選手権やュルブルクリンク24時間レースに参戦 |
アルピナはニコル・オートモビルズが日本に輸入しはじめて30年、ということで、ニコ・ローリケ社長のプレスディスピーチによれば、「これまでアルピナを応援してくれた日本のユーザーのために出展を決意した」。プレミアムブランドの決意としては賞賛に値するもので、他のプレミアムブランドはすべからく臍を噛んだはず。もちろん、彼ら(他ブランド)もまたそう考えていろんな出展方法を模索したはずで、それらも全て本国の指示で却下されたというのが実際のようだ。
最高出力214ps/最大トルク450Nmを発生する2リッターディーゼルターボエンジンを搭載したアルピナD3 BiTurbo。標準のリムジンと呼ばれるセダンのほか、クーペとツーリングも用意される |
アルピナでは、3シリーズベースのディーゼルターボエンジン搭載車のD3 BiTurboが目を引いた。プレミアムカーの、ひとつの方向性を示すモデルとして今後、ますます注目されるはず。新型7シリーズベースのB7 BiTurboや20年ぶりにレースに復活した6シリーズベースのレーシングカーB6GT3にも注目が集まった。
ロータス初のオールニューモデルとなる2+2シーターのエヴォーラ。ミッドシップレイアウトを採用、最高出力280psを発生する3.5リッターエンジンを搭載した。価格は2+2シーターが892.5万円、2シーターは850.5万円 |
ロータスの主役は、市販車唯一のミッドシップ4シーターのエヴォーラ。高額化がつづくスーパーカーの世界にあって、1000万円以下という価格設定も魅力。早く乗ってみたい一台だ。
リアサスペンションをダブルウィッシュボーンとしたスーパーセブンの最新モデル、CSR。フォード製2リッターエンジンを搭載する。価格は598.5万円 |
ケータハムも近年、日本市場で力を入れているブランドのひとつ。大きなモデルチェンジがあったばかりで、新型CSRをはじめ、400万円以下のロードスポーツ200、そしてライトウェイトのスーパーライトR300と、プリミティブな魅力に溢れたスポーツカーを3台展示している。操る楽しさをこれほどストレートに味わわせてくれるクルマはほかにない。
カンパーニャモータースが送り出す3ホイールビークル、T-REX。カワサキ製1.4リッターエンジンを搭載、価格は650万円 |
韓国のCT&Tが出展した、E-ZONE。シティユースに特化した、低価格(10000ドル)でコンパクトな2人乗りの電気自動車。最高速度60~80km/h、1回の充電で70~120kmの走行が可能 |
有名どころは以上(やっぱり寂しいね)だったが、個人的に興味を持ったのは、カナダのカンパーニャが展示した3輪2シーターのT-REX(のプロモーションビデオ)。ケータハムとはまた違う、ちょっと新しいドライビングファンが経験できそう。そのほか、早くも日本で数千台を受注したという韓国の電気自動車などにも人だかりができていた。
次ページでサプライヤー/タイヤ/部品メーカーなどの展示にあった輸入車を紹介します