輸入車/注目の輸入車試乗レポート

最強・最速のベントレー、スーパースポーツ

軽量化やエンジンパワーのアップなどを行いつつ、環境にも配慮した“もっとも速くてもっともグリーンな”ベントレー、コンチネンタルスーパースポーツ。スペインでその性能を思う存分に試しました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

0→100km/h加速3.9秒、名前通りのスーパーカースペック

スーパースポーツ
大型エアインテークをもつバンパーが特徴的なフロントマスク。ツインボンネットベントやロアバンパーグリルはスモークスチールで仕上げられている。ヘッドライトもケースをブラックで仕上げられた。サイズは全長4804×全幅1945×全高1380mm、価格は3150万円

通勤や買い物に毎日使うような実用のクルマはともかく、スーパーカーやスーパースポーツの類は、基本的にもうしばらくはそうめくじらを立ててエコを目指さなくてもいい、とボクは思っている。

趣味と実用ははっきりと区別して語るべき。技術的なチャレンジとして、本来の魅力を損なわない程度に、そしてオーナーが感じるある種の後ろめたさを緩和する意味で、エコを目指す。高級温泉旅館でタオルの換えを一回我慢する感覚。実際、この手のクルマでエコに頑張ることは、地球全体のCO2を考えて日本人が深呼吸を1回我慢するようなものだ。(もちろん、精神が大事、ってことだけど)

とはいえ、このベントレーコンチネンタルスーパースポーツ。ベントレー史上、もっとも速くてもっともグリーンなモデルである。何がグリーンかというと、コンチネンタルGTスピードに比べて110kgものダイエットに成功し、エンジンパワーを上げつつもE85フレックスフューエル対応とした。もっとも、E85(85%バイオエタノール混合の燃料使用が可能)に関してはインフラの整っていない日本市場ではその恩恵に預かれないが。

スーパースポーツ
植物由来のバイオエタノールを85%混合することでCO2排出量を約70%減らせるという
とまあ、時代にちょっとは気を遣った話を先にしておいて、話をこのクルマの本質に戻そう。名前のとおり、コイツは“すごいコンチネンタルGT”だ。6リッターW12ツインターボエンジンは630psにまでパワーアップされ、最高速度329km/h、0→100km/h加速3.9秒を誇る。正にスーパーカースペック。

見た目もかなり激しい。ノーマルにはそれなりの迫力とともに上品さもあったが、スーパースポーツの顔立ちは強面のひとこと。フレッシュエアの取り込みが各所にあって、いかにもスポーツカー面だ。リア周りもフェンダーが左右25mmずつ拡げられ、専用のエグゾーストエンドデザインが与えられている。一見して、ものすごく走りそうな雰囲気。

車内はさらにハード。完全2シーター(実は望めば4シーターも可)で、シートはスパルコのスポーツバケットタイプ。カーボンにレザーとアルカンタラを巻いていて、ノーマルシートに比べれば左右足して46kgも軽い!その他、カーボンパネルがふんだんにあしらわれている。

スーパースポーツ
ダウンフォースを高めるため、リアウインドウ下にあるリップスポイラーの後端は8mm引き上げられた。スモークドスチール仕上げの専用ホイールを装着、タイヤサイズは275/35ZR20となる

スーパースポーツの走りについては次ページ
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