輸入車/注目の輸入車試乗レポート

英国で見たベントレーの聖地と最強モデル(5ページ目)

今年1月に英国クルーのベントレー本社工場を訪れ、クルマが「工芸品」的な手間をかけて世に送り出される様を取材してきました。今回はさらに、“史上最強のベントレー”スーパースポーツもお披露目されました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

ベントレー史上最もクリーンな最強モデル

ベントレースーパースポーツ
スーパースポーツはガソリンとバイオ燃料の両方で走行可能な史上最も“クリーン”なベントレー

最強であるだけではない。スーパースポーツを名乗りながら、実は史上最も“クリーン”なベントレーでもある。

ベントレーと環境といえば、'08年春に、ラグジュアリーカーブランドとしての環境対策コミットメント=CO2ストラテジーを発表したばかり。簡単に言えば、'12年までに、1:炭酸ガスを全レンジで最低15%削減する、2:40%の燃費向上を可能とするパワートレインを採用する、3:全レンジを再生可能エネルギー使用車とする、の3原則目標で、その核となるのがフレックスフューエル対応のパワートレイン開発だった。そして、このスーパースポーツこそは、ベントレーCO2戦略3つの原則を最初に達成するクルマとなる。

是非もなく顧客の目も厳しいCO2問題に取り組んだからといって、パフォーマンスやラグジュアリネスを犠牲にするわけにはいかない。それがベントレーの基本方針であることは前々から言われてきた。史上最強のパフォーマンスとグリーンネスを同時に実現してしまうことで、ブランドの立ち位置を明確に示したと言っていい。

フレックスフューエル仕様(E0~E85、つまりは純粋なハイオクガソリンから85%バイオエタノール混合ガソリンまで)となった6リッターW12ツインターボエンジンは、最高出力630ps/8000rpm、最高速度329km/h、0→100km/h加速3.9秒というパフォーマンスを発揮する。開発担当者によれば、610psを発揮するGTスピードと比べて1750回転あたりからのトルクの厚みが全くもって“刺激的”らしい!
ベントレースーパースポーツ
バイオ燃料に対応する6リッターターボエンジンは最高出力630psを発生する

正に“スーパースポーツ”カーの領域へ。この性能とフレックスフューエル対応を両立するために、ベントレーは既存のW12に大幅な仕様変更(インジェクションや燃料系、各種マテリアルなど)を施した。

スーパースポーツのエンジン以外の見所については次ページ
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