輸入車/注目の輸入車試乗レポート

“83台の大試乗会”で感じたこと(2ページ目)

毎年恒例となっているJAIA(日本自動車輸出入組合)主催の大試乗会が行われ、今年は83台の輸入車が集まりました。その中で試乗することが出来た9台の報告と、そこで感じたことをお伝えします。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

気になる9台の輸入車は…

YES!ロードスター3.2ターボ
ドイツのFUNKE&Will社が送り出すYES!ロードスター。試乗車は最高出力355psの3.2リッターターボエンジンを搭載したロードスター3.2ターボ

最も聞き慣れないのはYESロードスターだろう。このクルマ、JAIAでしか“乗れない”珍品。ドイツはドレスデン近郊グロッセンハイムにある少量生産スポーツカーメーカーで、日本へは名古屋のオートリーゼンが総代理店となって輸入されている。

1トンを切る車重、ミッドに置かれた355psV6ターボエンジン、アルミコアボディ(スペースフレーム)むき出しの室内など、ピュアスポーツ極めり、といった風情だが、乗り味もさすがに切れ味鋭く純。生半なドライバーを寄せ付けないすごみに溢れている。

アウディS3スポーツバック
日本では'09年2月に発表された、A3シリーズの最強モデルS3スポーツバック。最高出力256psの2リッター直噴ターボエンジンが搭載される

とまあ、これが唯一の変わり者で、あとは近日発売のトラバースを除き、輸入車ファンにはおなじみのモデルばかり。中でも目新しいのはアウディS3だろう。TTSと同じパワートレインを引っさげて登場した“最強のA3”は、速さと上質さと実用性を備えた高級ハッチバックとして一定の個性をもつ。

シボレートラバース
'09年夏頃に日本に導入される予定のシボレーの新世代クロスオーバービークル、トラバース。3列8人乗りのボディに3.6リッターエンジンを搭載する

トラバースは、言ってみればハリアー影響組のクロスオーバーSUV。アメリカンSUVらしさのいい点(あたりが柔らかくしなやかで懐が深い)だけを忍ばせつつ、国産やヨーロピアンに追随する正確なハンドリングと安定感ある走りが身上だ。ただなあ、このスタイルには疑問。日産ムラーノと同様に、ちょっとスポーティに凝りすぎだと思う。ナビゲーターやエスカレードが、時代遅れだと言われても、やっぱりいいよな。アレをビッグ3凋落の戦犯扱いするのもどうかと思う。

VWパサートヴァリアント
数多くの専用装備をモデルごとにパッケージ化した仕様がインディビジュアル。こちらはパサートヴァリアントV64モーションをベースとしたモデル

VWファンには、インディビジュアル導入がぐっさり刺さったのではないか。ただし、黒いボディに茶色の内装のみ、というインディビジュアル仕様を1グレードとして導入するに留まった。この仕様そのものは格好いいけど、やっぱり好き勝手に選びたいものだね。インディビジュアル=個人的な、というからには。

ダッジJC
7人乗りミドルクラスのクロスオーバーモデルがダッジJC。北米ではジャーニーの名称で販売されている

ダッジJCには、正直がっかり。確かに乗ればマトモなんだけど、積極的に乗るイメージが湧かない。ダッジのブランドイメージも随分と変わってしまって、ちょっと軽くなりすぎた。惜しいな。チャレンジャーとかチャージャーはとってもいいのに……。輸入車サイトの筆者でも、JC買うなら迷わずオデッセイを買ってしまいそうだ。

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