輸入車/注目の輸入車試乗レポート

超一流に進化した“新しいコルベット”ZR1

638psで、最高速は時速200マイル(320km/h)以上のモンスターコルベット“ZR1”。唖然とするようなスペックをもつ“新しいコルベット”ZR1にアメリカで試乗して来ました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

モンスターコルベット“ZR1”を試す

コルベットZR1
'08年のデトロイトショーでお披露目された、アメリカンスーパーカーの底力を証明すべく登場したコルベットZR1

638psで、最高速は時速200マイル(320km/h)以上のコルベット。そう聞いただけで、とてつもなくじゃじゃ馬で、途方も無く扱いづらく、この上なく野蛮な超マッスルカーを想像してしまうのだが……。'08年のデトロイトショーでモンスターコルベット“ZR1”デビューの報を初めて聞いたとき、私もそう思った。

伏線がある。一昨年、7リッターV8を積む505psのコルベットZ06に乗ったとき、加速のあまりの過激さ、力強さ、音、振動、に恐怖さえ感じた。そのあまりの迫力にすっかり“やられて”しまい、最新アメリカンマッスルの底力に心を奪われたという経験。それがベースになっての、ZR1=638psだったのだ。

あのZ06より130psも馬力があるんだって?! 最大トルクに至っては637Nmから819Nmへ。しかもそれが、低回転域から溢れ出て……。唖然、というか、狂気の沙汰としか思えない。と同時に、Z06を自分のものにしたいという欲求があった私は、このニューカマーに一層惹かれてしまっていた。

ライバルは、フェラーリ599にポルシェ911GT2、そしてランボルギーニLP640。ニュルブルクリンク旧コースで日産GT-Rのもつタイムを上回ったことは記憶に新しい。

試す機会を得るには半年以上待たねばならなかったが、8月、ようやくチャンスに恵まれる。処はミシガン州デトロイト郊外にあるGMのプルービンググランド。広大、という言葉では追いつかないほどの施設の中に、世界中のサーキットコーナーを再現したというトラックコースがある。そこが、舞台だ。

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