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匂い立つグラントゥーリズモと対峙する(2ページ目)

匂い立つようなイタリアンGT、マセラティグラントゥーリズモ。そこにあるだけで日常を非日常に変えてしまうようなクルマとどうやって付き合っていくか?舞台設定を考えてみました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

クルマと自分との純粋な関係だけを見つめてみる

マセラティグラントゥーリズモ
全長4884×全幅1847×全高1353mm。405psの4.2リッターV8エンジンに6ATを組み合わせる

マセラティGTは、匂い立つようなGTである。毎日、足に使える人は並大抵じゃない。超高級な革靴を毎日履き倒すようなものだ。かといって、通り一辺倒に、自らもドレスアップしてホテルに乗り付ける、なんてことも定番すぎて今更だ。じゃ、一体、どこに乗って行こうか。

そこで、ふと気付いた。マセラティに限らず、ことイタリアン高級スポーツカーというものは、フェラーリもランボルギーニも、その存在だけで周りの空気を変えるだけの力を持ったクルマであるということを。ただ、そこにあるだけで日常を非日常に変えてしまう。ならば、何も舞台設定を乗り手が仕掛けることもなかろう。

例えば、月に一度、まだ踏み入れたことのない街へ一緒に出かける、というプランを決めておくというのは、どうだろう。マセラティGTは、生粋のグランドツーリングカーでもあるから、ちょっとした遠出になるといい。例えば東京を起点にするならば、半径250キロ圏内。日帰りで十分楽しめる範囲。コンパスで地図に円を描き、その周回上で未知の街を探し、次の目的地に選ぶ。

ただ行くだけ、である。ドライブには目的が必要というのが持論だが、この場合は目的(例えば温泉やグルメ)はいらない。それは偶然の出会いに任せよう。ただただ、強いクルマと自分を対峙させてみるのだ。

負けたと思えば、それでオーナー関係は解消である。何をもって勝ちとするかは、貴方次第。新しい発見をし、それを心から楽しめたら勝ち、でもいい。とにかく、クルマと人との純粋な関係だけを見つめてみる。そういう時間を心底楽しめたとき、貴方はクルマを人生のパートナーと認めることになるのだと思う。イタリア車ならば、そのチャンスがごまんとある。特に、マセラティのように、日本ではまだ手垢の痕が少ないブランドならば、なおさらだ。

たなびくV8のエグゾーストノートに心を奪われつつ、私は新潟方面を目指してみようという気になった。

マセラティグラントゥーリズモ
走行状況に応じてギアシフトのモードを調整するアダプティブコントロールシステムなども装備する


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