走りも実用性も完成度が増した“乗用車”
基本性能はベースのセダンと同様。“アジリティコントロール”による、俊敏性や快適性のある走りをもった |
基本的には、セダンと同じテイストの走りだと思って欲しい。タウンスピード域ではあくまでも軽快な身のこなしを信条とし、ひとたび高い速度域の郊外路などに入ってくれば手応えもガッチリなステアフィールになってドライバーとの一体感を強める。アウディやBMWの雰囲気を飲み込みつつ、あくまでもメルセデス流を貫いているのがCクラスの魅力で、ワゴンでもその印象は全く変わらない。空荷で走ると若干フロアにビビリが出るが、ステーションワゴンモデルによくあるような後ろに大量の空気を運んでいるといった乗り味ではない。サルーンライクな走りに終始する。
デイリーユースでの活躍が最も似つかわしいが、ロングドライブクルーザーとしての実力も相当に高い。何しろ、多少雨が降っても高速域でのスタビリティはほとんど損なわれず、ドライバーへの負担も最小限に、たんたんと突き進む。荷物を積んでもそのライドフィールは変わらないから、荷物と自転車でも放り込んで2、300km離れた高原リゾートに遊びにいく、なんて芸当も問題なくこなしてくれるのだ。日常的に使っているクルマが、そのままリゾートエクスプレスに。このオールマイティさが、Cクラスワゴン最大の魅力だと思っていい。
実用乗用車として完成度が増し、荷物も積めて、セグメントリーダー的な走りの完成度は言うことナシ。このクルマに慣れてしまうと、クルマ趣味を諦めてもいいかな、と思ってしまうから怖い。本当によくできた乗用車だと思う。
エレガンスはウォールナット、アバンギャルドがブラックバードアイメープルのパネルを採用 |
ラゲージは旧型と比べテールゲートの角度を立たせたリアエンドや大きくなったボディにより広くなり、使い勝手も向上している |
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撮影:河野敦樹・カーセンサー