今、最高のライドフィールをもつジャガーXF
全長4961mm×全幅1877mm×全高1460mm、ホイールベースは2909mm |
もう1台のジャガーXF。こちらはさらに驚いた!
断言してもいいが、今、このクラス(欧州Eセグメントに属する)最高のスポーツサルーンじゃないか。何かが突出しているのではなく、全ての性能が高いレベルでバランスしている。だから、運転していて常に気分がいい。ゆっくり町中を流していても、高速道路をクルージングしていても、ワインディングをかっとばしてみても、クルマは常にドライバーに忠実でよく手に馴染む。驚くほど、心地いいライドフィール。
V8の自然吸気(19インチタイヤ)とスーパーチャージャー(20インチタイヤ)に乗ったが、個体差はあるものの、おおむね同じ乗り味で、自然吸気でも物足りないということがない。充分だ。サウンド的には自然吸気の方が優るほど。絶対加速を求める方だけが、スーパーチャージャーを狙えばよろしい。
足回りはスポーツクーペのXKとほぼ同じ。ボディ構造はアルミではなくスチールがメインだが、それが逆に効いている。アルミボディ特有の“輪郭”がやけにくっきりした走りではなく、ある程度そこをゆるくぼかしてクルマ全体でしなりをつくり、人間の感覚に自然な雰囲気で力を漲らせている。そこが、いい。こういうことができるジャガーは、やっぱり凄いと思う。きっと、社内の“どこかで誰かが”ジャガーらしさを常にブラッシュアップしモダナイズしバージョンアップしながら厳しく今に伝えているからだと思う。そう、たとえ“親玉”が変わろうとも……。
日本には3LのV6、4.2Lと4.2LスーパーチャージャーのV8エンジン搭載の4グレードが導入される。販売予定価格は650万~995万円 |
とにかく、XFはドライバーズカーとして当代一流である。デザイン的に好みは分かれるだろうが(特に顔付き)、クルマなんてものはそれぐらいでちょうどいい。万人受けする必要などない。XKクーペと同じシルエットを描くキャビンデザインの美しさに惚れて、中身が最高であるということを誇りに思いながら乗って欲しい。そういうクルマだ。
とにかく、クルマ好きならば、XFシリーズの実力を知っておいて損はない。否、クルマ好きを標榜するならば、Eクラスや5シリーズを褒める前にXFシリーズの実力を知っておかねばならないと思う。好き嫌い欲しい欲しくない買う買わないは別にして、そこには今、最高のライドフィールがあるのだから!
シフトゲートに替わりダイヤル式の「ジャガー ドライブ セレクター」を装備。ステアリングのパドルシフトでギアチェンジも可能 |
他人のふんどしで素晴らしい相撲をとり続ける、ブリティッシュブランドのしたたかさ。同じ島国の日本も見習うべきところが沢山あるに違いない。これからはじまる国内市場縮小/付加価値増大に向けて。