車内は音楽のリスニング環境としては、良くないことを理解しよう

iPodに限らずクルマの中で、いい音で音楽を楽しむなら、車内音響特性に応じた補正を行った方が有利なことは、以前なにかの機会にお伝えしたと思う。クルマの中は音楽のリスニング環境としては、決していいとはいえず、高音質のステレオ再生に対して悪さをする要素が多々あるからだ。

まず問題なのは、左右のスピーカーから等距離のベストポジションで音楽が聴けないことだ。ホームオーディオで音楽を聴くときは、自然にベストなポジションで聴こうとすると思う。CDなどのステレオ録音の音楽ソースは、左右のチャンネルに別々の音が記録されていて、それを再生することで空間を立体的に表現することができるわけだが、それを理想的な状態で再現するには、左右のスピーカーの音がリスナーの耳に同時に届くことが基本だからだ。

ところがカーオーディオの場合、右ハンドル車にしろ左ハンドル車にしろ、フロントシートに座っている限り、どちらかのスピーカーに近づいてしまう。しかもスピーカーの取付場所に制約があるため、ドアのウーファーとダッシュボード上のトゥイーターまでの距離もまちまちだったりする。これでは、理想的なステレオ再生とはほど遠くなってしまうのだ。

クルマでいい音を楽しむにはタイムアライメントが必須

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タイムアライメントの調整画面。各スピーカーまでの距離を入力すればいい
それを解決するのがタイムアライメントという機能。各スピーカーから音が出るタイミングを調整して、擬似的に左右スピーカーから等距離の理想的なリスニングポジションで聴いているような状態を創り出すことができる機能だ。

DEH-P01の場合は8ch分の出力があり、それぞれ個別に補正が可能。僕のクルマは、フロント2ウェイ+サブウーファー、つまりフロントに左右のトゥイーターと左右のウーファー、ラゲッジルームにサブウーファーが1個という具合に計5個のスピーカーが付いているわけだが、それらの音が出るタイミングを個別に調整して、運転席で同時に聞こえるように調整できるわけだ。しかも調整幅は0.77センチ刻みで0~394.75センチまで設定できるから、かなり細かい調整ができる。

イコライザー&クロスオーバーの調整もきめ細かくできる

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デジタルクロスオーバーは4ウェイに対応。左右独立で調整が可能
ほかに、デジタルイコライザーとデジタルクロスオーバーも搭載。カーオーディオの高音質再生を妨げるもう一つの大きなポイントは、車内の複雑な形状や、ダッシュボード、シートなどの内装材によって車内音響特性が乱れてしまうことだが、それを補正するために帯域別にレベルを細かく上げ下げできるのがイコライザーだ。DEH-P01の場合、1/3オクターブごとに31バンド、0.5dB刻みでレベルの調整ができる。しかも左右別々で調整できるので、音響特性の乱れを細かく補正できる。

デジタルイコライザーは、各スピーカーが再生する範囲を設定する機能。フロント2ウェイ+サブウーファーなら、トゥイーターで何ヘルツ以上を再生し、ウーファーで何ヘルツから何ヘルツまでを受け持たせ、サブウーファーで何ヘルツ以下を再生するという設定ができる。

カットオフスロープは-6dB/octから-36dB/octまで6段階。クロスオーバーで再生する範囲を決めたとき、それ以外の音が急に無くなるわけではなく徐々に減衰させるわけだが、その減衰させる傾きがカットオフスロープ。これを調整すれば、各スピーカー間の音のつながりを良くすることができる。これらの機能を駆使してうまく調整すれば、iPodに限らず、音楽をいい音で楽しめるわけだ。

サウンドマスタークロックでジッターを排除

デジタル補正機能以外にも、iPodの高音質再生に有利な点が、DEH-P01にはまだある。それは、サウンドマスタークロック回路を搭載し、iPodの音楽もサウンドマスタークロック回路の恩恵が受けられることだ。サウンドマスタークロック回路とは、デジタル信号の時間軸の揺らぎ=ジッターを排除するために採用されるもので、これがあるとないとでは、微細な音の再現性が違う。ひいては、音のみずみずしさにも大きく影響してくるのだ。

また各種デジタル調整を行うためのデジタルプロセッサーは、演算処理の精度に優れた32bit浮動小数点タイプだし、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバーターは、コストパフォーマンスに優れたAKM製の24bitアドバンスト・マルチビット方式DAC。L/R独立ハイボルテージボリュームは、チャンネルセパレーションに優れ、ダイナミックレンジと高S/Nを確保しているし、新開発のダンパーを採用したCDメカにより、CDの音もいい。

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