iPod中心の音楽ファンならアルパイン
次にデッキ。今年はミドルクラスでいいものが多い。まずアルパインのiDA-X100(42,000円)。CDプレーヤーを持たない代わりにiPodやUSBデバイスを接続して音楽を楽しむデジタルメディアヘッドユニットである。アルパインのデジタルメディアヘッドユニットiDA-X100(42,000円) |
そんな製品だから、正直なところ、音質には期待していなかった。実際、内蔵アンプで聞いてみると、とくに印象に残る音でもなかった。ところが、外部パワーアンプを接続して高級スピーカーを鳴らしてみたところ「これがiPodの音?」と疑問符が付くくらい、クオリティの高い音を聞かせてくれたのだ。
とくにiPodをUSB接続して音声をデジタルで取り出し、iDA-X100のD/Aコンバーターでデジタル信号をアナログ信号に変換したときの音が、CDとも遜色がないクオリティなのに驚かされた。操作性も前モデルより大きく向上。iPodを中心に音楽を聞くユーザーにとっては、ぴったりのモデルといえる。もっとも、アルパインは1月のオートサロンの時期に毎年、新製品を発売しているので、まもなくモデルチェンジする可能性もあるが。
CDメインの音楽ファンならカロッツェリア
CDを中心に音楽を聴く人にとっては、カロッツェリアのDEH-P930(78,750円)を一番におすすめしたい。3万円台が主流のCDレシーバーの中で、8万円に近い7万円台というのは異例の高額だが、ちょっとオーディオ好きな音楽ファンなら、その価格差以上の満足感が得られると思う。カロッツェリアDEH-P930(78,750円) |
デザイン的には前モデルのDEH-P910と変わらないのだが、音はまったくの別物。言葉にすると、音が太く強く、それでいて細かい音までしっかりと聞こえるという印象。音のクオリティとしては、より上級のアンプレスデッキ、DEX-P01に近い感じだ。
加えて、内蔵DSPの調整能力が素晴らしく、デジタルクロスオーバー、タイムアライメント、デジタルイコライザーによって、クルマでの音楽再生における弱点をかなりの部分まで解消できる。CDをいい音で楽しみたい音楽ファンにはイチオシのモデルだ。
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