制振とともに重要なのが吸音だ
制振に使った材料は、積水化学のレアルシルト匠というもの。30×50センチ角のシートをいくつかのサイズにカットし、両ドア合わせて3~4枚使っている。このレアルシルト匠、専門店限定商品で一般小売りはしていないもの。一般に買えるブルーのレアルシルトより、振動吸収性を約20%向上させているという。ちなみに、一般に小売りしているブルーのレアルシルトは「匠」よりもやや小さい30×40センチ角のシートが8枚入りで15,540円。1枚あたり約1,900円で、これを4枚使ったとすれば制振材の部材だけで、安く見積もって約8,000円かかる。
|
これがオーディオテクニカのダイナミックドレインという吸音材 |
|
ダイナミックドレインをスピーカーの真裏の鉄板に貼る |
またスピーカーの裏側のエネルギーを真正面から受けるドアの鉄板には、レアルシルト匠で制振を施したあとで、オーディオテクニカのダイナミックドレイン(4,725円/2枚)という高排水吸音材を貼り付けている。これは人間の耳に最も敏感とされる2kHz前後を中心に高い吸音能力を発揮するアイテム。これをスピーカー裏の鉄板に貼ることで、背圧をコントロールして上質な音にコントロールするわけだ。もちろん、これら制振&吸音の部材費も、10万円プランの金額に組み込まれている。
スピーカーの固定はインナーバッフルで
ここまでのデッドニングというかドアチューニングが済んだら、スピーカーを固定するためのバッフル造り。トレードインスピーカーの設定がないクルマのスピーカーを交換する場合、トレードインタイプのスピーカー以外を装着する場合は、個々のクルマ、個々のスピーカーユニットに合わせて、バッフルをオリジナル制作する必要がある。スイフト用に制作したのは12ミリのMDFという木材を2枚重ねたリング状のインナーバッフル。堅さの異なる2種類のMDFを使って制作している。ちなみに、リング状のインナーバッフルの制作費用は、標準で12,000円(左右2枚で)からとのこと。これはサウンドステーション全店の統一価格だ。
|
2種類のMDFを組み合わせて造ったリング状のインナーバッフル |
バッフル制作を終えたらスピーカーを配線して、ドアにバッフルごと固定。ドアの内張りやパネル等を戻して、作業は完了だ。作業時間はお昼頃に始まって約8時間。前日の閉店間際にクルマを預けて、翌朝から作業を始めれば、その日の夜には作業が完了しているという具合である。
|
防水塗装したあとにドアに固定してスピーカー取り付けは完了 |
次ページは作業内容と料金の考察