表面積はCDジャケット2枚分より小さい!
名古屋オートトレンドで見かけた注目アンプが、アークオーディオのKS-125.2miniだ。型番にも「mini」と名付けただけあって、このアンプ、幅209.5ミリ、奥行き124ミリ、高さ44.5ミリと、とにかく小さい。
小さな高級機=アークオーディオKS125.2mini(69,300円) |
ただし、入力信号のレベルに応じてパワートランジスタに供給する電圧を切り替えるのがAB級と異なる部分。これで効率を改善し発熱も減らしている。つまりAB級並みの滑らかな音質とD級に近い省電力を両立する方式なのだ。その省電力のおかげで、ボディをコンパクトにできたというわけだ。
コンパクトながら低域も力強い!
コンパクトなアンプというと、低域の力強さが物足りないというイメージを持つ人が多いと思う。実際、AB級の小型アンプの中には低域の押しが弱いアンプも多々ある。ところがKS-125.2miniは、コンパクトサイズにも関わらず、低域の押しが並の大型アンプよりも強い感じ。アルマプロのような大パワーを受け止める設計のサブウーファーは、並のアンプではしっかりと芯のある低音が出にくいが、KS-125.2miniで鳴らしてみたところ、力強く鳴ってくれたのだ。
試聴時にちょうど10万円クラスのアンプが傍らにあったので、それと聞き比べてみたが、低域の押しの強さはKS-125.2miniのほうが上。低域の制動力を図る目安としてダンピングファクターというスペックがあるが、この数値が800以上だというから、それも納得だ。この数値が大きければ制動力が高いのだが、一般的なアンプは200もあれば十分とされているのだ。
小さな高級機にふさわしい立体感ある音場を再現
中高域がどうかというと、全体的にやや華やかになる傾向があるものの、質感はいい。また空間再現力が素晴らしく、広がりと奥行きのある立体的な音場を再現する。音色はややソリッド傾向。音の立ち上がりも良く、アークオーディオらしく音楽をノリ良く楽しめる感じの音だ。
このサイズなら設置場所に困らないから「いい音で音楽を聴きたいが荷室が狭くなったり、クルマが重くなるのはイヤ」なスポーティカーのオーナーにもぴったり。ハイレベルインプットに対応しているから、純正デッキを使ったままスピーカー出力をこのアンプに入力し、グレードアップしたスピーカーを駆動するといったシステムでも、低域制動力が向上するため、十分に音が良くなった感を体感できるはずだ。
次ページはアルパインの最新DDリニアスピーカー