アウディデザインDNA
最初にシングルフレームグリルを採用したアウディのコンセプトカーは、2003年ジュネーブモーターショーの「Nuvolari quattro」だ。しかし台形の上下は逆で丸みも付いているが、それ以前のこのローゼマイヤーにそのシングルフレームのテーマを見ることができ、それはまた先に述べたように1930年代のシルバーアローにインスパイアされたことが分かる。そしてそのシングルフレームグリルを成立させる、最近のアウディ一連のボンネットフードからグリル、スポイラーまでつながるたっぷりとした丸い面構成も同様だ。
ローゼマイヤーのグリルが、現在のシングルフレームグリルに発展して行ったとも考えられる。現在のアウディのたっぷりとしたフロントの丸い面構成も、ここからだ。 |
またお椀をかぶせ幾何学形体を組み合わせたようなキャビン、ボディ、フェンダーの構成は、初代TTとの関連性もあり、さらに新型TTでは新たな展開を見せる。そしてフェンダーアーチを強調したラインは、最近発表されたR8やA5といったアウディのスポーツラインにも表現されている。なだらからルーフからCピラーへのラインは、アウディ全車に共通するテーマだ。このローゼマイヤーが、その後のアウディのデザインに大きく影響を与え、ブランドイメージを高めたのは事実だろう。
お椀をかぶせたような幾何学形体の組み合わせ、強調したフェンダーアーチ、なだらかなルーフライン。現在のアウディのデザインにも通じる要素が、そこかしこに見える。 |
ローゼマイヤーのボディサイズは、4540×1920×1240mm(全長×全幅×全高)。ローゼマイヤーは、1930年代にレース界を席巻したアウトウニオンの伝説のレーシングドライバーの名前でもある。車両の展示は2007年10月末までの予定だ。
インテリアも幾何学形体を組み合わせたようにシンプル。そしてレトロスペクティブ。インテリアトリムはダイヤモンドキルティドハイド。 |
次回の「ステイタスカー」では、このローゼマイヤーを展示中のアウディ フォーラム東京とR8をご紹介する予定です。
後方視界は、ルーフに付いたこのリアヴューカメラが捕らえる。よく見るとこのカメラも、前ページ掲載の「シルバーアロー」のバックミラーと同形状だ。 |
(写真・文 松本明彦)
<関連リンク>
・ローゼマイヤー
・アウディ フォーラム東京
※記事の更新や、本文では書けない「ステイタスカー」の内緒話やこぼれ話、情報を掲載したコラムを、無料ガイドメルマガにてお知らせします。
ご登録はこちらからどうぞ。