TOYOTA(トヨタ)/トヨタの車種情報・試乗レビュー

日本オリジナルのクラウン マジェスタ(2ページ目)

「書」の心を表現し、堂々さと繊細さを共存させデザインされたクラウン マジェスタ。「もてなしの心」、日本オリジナルにこだわった個性は、世界に通用するのだろうか?

執筆者:松本 明彦

日本オリジナルのデザイン

専用色のブラッキッシュレッドマイカは、トヨタ店のチャネルカラーのボルドーをイメージさせる高級感のあるカラーだ。歴代クラウンのデザインは、水平基調だったが、新型はわずかにウェッジシェイプだ。

サイズだけでなく、デザインやその「もてなしの心」にも、日本のオリジナリティが表れる。たとえば「書」からヒントを得たという、ボディサイドのフロントからリアへのライン。前回紹介のエリーゼでは、立ったエッジのベルトラインやエアインテークに「とめ、はね、はらい」の流れが見えた。マジェスタでは、フロントフェンダーからグッと力を入れ書き始め、リアに向かって一直線に引き、リアフェンダーで今一度力をため、リアエンドに向かって力を抜いていき、テールランプに流れる。太い台形のCピラーは、歴代続くクラウンのアイデンティティーだ。

立体的で堂々とし、なおかつヘリボーン模様の繊細さも見せるフロントグリル。マークは“クラウン(王冠)”ではなく、トヨタマーク。

エンジンフードは立体的で、フロントグリルも両端の面を折り、量感を持たせている。バンパーはUの字にカットされ、グリルとの繋がりを暗示させ、遠目では堂々と見せながら、マイナーチェンジで縦桟になったグリルは、近目ではヘリボーン(ニシンの骨の意味。杉綾織)のような細かいニュアンスも見せる。この堂々さと繊細さが共存しているところも、日本らしい。そしてこの堂々ささえも、ドイツ車のように威圧的で攻撃的なものではなく、品格あるものだ。

8インチの大型ナビモニタは、文字も大きく見やすい。空調はセンターコンソールナビ画面右、オーディオは左、ナビ操作はタッチ画面と下と、スイッチ位置も理論整然と整理されていて分かりやすい。上下左右両方向にR(曲面)がつく、張りのある面のセンターコンソールは、ロイヤルサルーンやアスリートでは木目“調”だが、マジェスタでは“本”木目。

「もてなしの心」は、たとえば8インチの大型ナビモニタ。文字表示のサイズは変えられるが、最小にしても通常のモニタより文字が大きく、実に読みやすい。メーターの数字やインフォメーション表示も大きく、ユーザー層の年齢に合わせると共に、世界で最初に高齢化社会に突入する日本発ならではの配慮だ。

また標準装備の「G-BOOK ALPHA」では、「エアバッグ連動ヘルプネット」、車両盗難から車を守る「G-Security」、ナビの目的地設定や宿泊施設の予約をオペレーターがサポートする「クラウンコール」のサービスを提供。これも「もてなしの心」と言えよう。

LEDを採用したオプティロンメーターは、文字も大きく視認性に優れる。

さらにヘッドアップ・ディスプレイも使い勝手がいい。スピード表示とナビゲーションの交差点案内表示に絞り、運転時前を見ながら視線を移動させずに確認できる。しかも体格やシート位置に合わせて、表示位置の適正化が可能だ。

フロントガラスに投影される「ヘッドアップディスプレイ」は、スピードとナビゲーションの交差点案内を表示する。

首振りのスイング式の空調も驚くうれしい装備。満遍なく室内を冷やして(暖めて)くれる優しい設計だ。空調はセンターコンソールナビ画面右、オーディオは左、ナビ操作は下と、スイッチ位置も理論整然と整理されていて分かりやすい。スイッチを減らすことにより操作性の向上をねらったBMWのiDriveやメルセデスのCOMANDシステムだが、実際は階層が深く操作の習熟も必要で、未だ発展途上のインターフェイスだ。やはりマジェスタのような、ある数までは整理配置され、その形状タッチにも気を配ったスイッチの方が、依然直感的で使いやすい。

開閉が楽な、パワートランクリッドも装備。積載容量も、10インチのゴルフバック4個が収納可能。三角表示板も装備。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます