アルファロメオ/アルファロメオ

存在感と緊張感のデザイン「ブレラ」(2ページ目)

アルファロメオの新世代159に続き、ブレラが発表された。その存在感がありながら、緊張感溢れるデザインがブレラ最大の魅力だ。

執筆者:松本 明彦

2ボックスのスポーツカー

長いノーズと、低く寝かされたフロントウィンドウとリアハッチ。長いフロントオーバーハングと短いリアオーバーハング。2ボックスでありながら、スポーツカーであるブレラのデザインの秘密だ。

ブレラのデザインを詳細に見ていこう。生産型でも2ボックスらしからぬ非日常性を持っているのが凄い。このボディタイプで、スポーツカーにしてしまうのは、ジョルジェット・ジウジアーロの匠の技だ。あえて2ボックスというボディタイプで、新世代のスポーツカーに挑戦したジウジアーロは、大御所中の大御所でありながら未だに挑戦者であり開拓者でもある。こんな見事な仕事を見せられたら、やはり憧れてしまう。彼は今でもカーデザイナー達のアイドルなのだ。

コンセプトカーと同様、4415mmの全長に対して、1830mmという広い全幅と1380mmの低い全高に長いノーズ。そして高いベルトラインに低く寝かされたフロントウィンドウとリアハッチが、まるでクーペのよう。長いフロントオーバーハングと短いリアオーバーハングは、前進感と俊敏さを表現。これらの基本ディメンションとプロポーションにより、2ボックスの3ドアハッチバックでありながら、スポーツカーになっているのだ。

バンパーを縦断するアルファロメオグリルは、前進感と低い重心を表現する。

キャビン上屋からAピーラー、そしてボンネットパワーバルジにかけてのラインは、そのままバンパー下部まで大きく縦断するアルファ ロメオグリルに繋がり、大きなV字を描く。ボンネット上に膨らみを付けたアルファ ロメオマークや、中心に向かって細くなる左右のヘッドランプ部グリルと共に、ボディ中心下部に視線を集中させ、前進感と安定感を強調する。サイドのキャラクターラインはそのすぐ下の面をえぐり凹面とし、ショルダーとホイールアーチの張り出しを強調。サクッとナイフで斜めにそぎ落としたようなフロントフェンダーは、159同様ブレラのデザインの見所の一つだ。

サクッとナイフで斜めにそぎ落としたようなフロントフェンダーの処理は、新鮮で美しい。
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