ポルシェ/ポルシェ

「ホワイトブック」とケイマンS(2ページ目)

ラグジュアリーインスティテュートの高額所得者対象の調査で、最高位に輝いた高級自動車ブランドはポルシェ。その高いブランド力を支える秘密を、ケイマンSのデザインと「ホワイトブック」から探ってみた。

執筆者:松本 明彦

デザインのルーツは550クーペと904カレラGTS

丸目のヘッドランプや三分割のエアインテーク、低いフロントリッドと盛り上がったフロントフェンダーは、ポルシェブランド全車に通じる特徴だ。

ケイマンSは、どこから見てもポルシェのデザインだ。たとえば、丸目(ケイマンSでは楕円)のヘッドランプ、バンパーの三分割のエアインテーク、低いフロントリッドと盛り上がったフロントフェンダー、豊かなショルダーラインや緩やかな弧を描くルーフラインは、ポルシェに共通のデザイン。

そして550クーペや904カレラGTSの特徴を引き継ぐ、盛り上がったリアフェンダー。

そしてケイマンSでは、これに加えて特に1953年に登場した550クーペや'64年登場の904カレラGTSのデザインエレメントを引き継ぐ。その中でも一番の特徴は、盛り上がったリアフェンダーだろう。911カレラもリアフェンダーが左右方向に張り出すが、ケイマンSではこれに加えて高さ方向にも筋肉のような盛り上がりを見せ、走りの意思とミッドシップであることを主張する。

ボクスターと共通のテールランプを使いながら、全く異なる印象のケイマンSのリアビュー。

キャビンは2シーターなので、2+2の911カレラに比べ小さく、よりスポーティーでクラシカルに見える。サイドビューばかりでなく、リアビューから見てもキャビンは左右方向に大きく絞られ、リアフェンダーの膨らみを強調すると共に、キャビンやCピラーとリアフェンダーがぶつかり交差し溶け込む所に、美しい陰影とハイライトを浮かび上がらせる。

盛り上がったリアフェンダーは、キャビンやCピラーと交差し溶け込む所に、美しい陰影とハイライトを見せてくれる。
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