まさに「駆けぬける歓び」
その走りの質感も高い。まさに「Freude am Fahren」(駆けぬける歓び)。 撮影:松本明彦 |
プッシュ式のエンジンスターターを押しエンジンをかける。直列6気筒のエンジンは、マグネシウム合金とアルミニウム合金をクランクケースに惜しげもなく採用し、一般的なねずみ鋳鉄製エンジンブロックに比べ57%の軽量化を実現した。(ミニを除けば)FFを持たないBMWは、横置きに搭載できるV型にする必要がなく、理論的にゼロ振動が実現できる直列エンジンをずっと採用し続けている。その直列6気筒エンジンは滑らかで、アイドリングも走行中の音も6ATの採用も相まって静かだ。けれどいったんアクセルを踏み込むと、クォーンという勇ましい音と共に、しかし荒々しさは全くなく一気に7,000回転まで吹き上がる。まさに絹のように滑らか、「シルキーシックス」だ。
よく動く足は、まるで道路を舐めるよう。ロードインフォメーションを伝えながら、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立している。
全幅が1,800mmを超えたものの、全長は4,525mmと依然として手頃で使いやすいサイズだ。いやむしろ、同じDセグメントで全長が4,700mmを超えるクルマも出てくる中にあっては、いまや全長は短い方かもしれない。Dセグの中でもBMW3シリーズは、メルセデスCクラス、アウディA4と共に「プレミアムDセグメント」を標榜する。そのエクステリア、インテリアの高い質感、2クラス上にも匹敵する装備の数々、滑らかなエンジン、道路を舐めるような脚の動きを体験すると、BMW330iはただサイズが小さいだけで本物のステイタスカーである事が分かる。高価ではあるが、それに見合った満足を十分に与えてくれるのがBMW330iなのだ。
手頃なサイズの本物のステイタスカーが欲しければ、BMW330iはベストな選択の一つとなるだろう。 撮影:松本明彦 |
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