マセラティ/マセラティ

五感で乗るクルマ マセラッティ クアトロポルテ(2ページ目)

その姿を愛で、エンジン音を聴き、革の感触と香りを楽しみたいクルマが、マセラッティ クアトロポルテだ。

執筆者:松本 明彦

湧き上がる咆哮


エンジンルームにはトライデントのカバーが 撮影:松本明彦

ドアを開け乗り込みキーを捻ると、その咆哮に思わず驚く。まるで生き物のようなエンジンだ。ボンネットを開けてみると、マラネロのフェラーリ・ファクトリーで組み立てられた赤いカムカバーのV8エンジンが、マセラッティのトライデントのカバーから覗く。憎い演出だ。

クアトロポルテは、他の大型ラグジュアリー4ドアセダンのように、エンジン音を決して消さない。走行中も、その存在を常に主張し、ドライバーのアクセルの踏み方に呼応するように、雄たけびを上げてくれる。クルマに乗せられているのではなく、自分が操縦している事を実感できるのだ。聴覚にも訴える部分だ。

愛で、聴き、感触と香りも楽しみたい

シートのみならず、ダッシュボード、ステアリング、ステッチ、パイピング等、数百万通りもの組み合わせの中から、たった一台の自分だけのクアトロポルテを創る事ができる。 撮影:松本明彦

クアトロポルテは、15色のボディカラーに加え、インテリアは10色のレザーにダッシュボードカラー(10色)、ステアリングホイール・カラー(10色)、ステッチ(13色)、ルーフ・ライニング(3色)、カーペット(4色)、さらにウッドはローズウッド、マホガニー、ブライアーウッドの3種類に、チタン・スタイル・フィニッシュのオプションの設定もあり、数百万通りもの組み合わせの中から、世界でたった一台の自分だけのクアトロポルテを創る事も可能だ。

インテリアのレザーやウッドの見本は、専用の見本ケースに収められている 撮影:松本明彦

ハイクォリティーなポルトローナ・フラウ社のレザーを標準採用するクアトロポルテだが、オプションで特殊なタンニング・トリートメントをし、さらに柔らかなタッチと美しさを高められた「ナチュラルレザー・インテリア」も選択できる。このオプションを選択すると、”Poltrona Frau”のロゴがシート座面のサイドに刻印される。ポルトローナフラウの「ナチュラルレザー」を撫でて感触を楽しみ、その香りを嗅ぐ。触覚と嗅覚にも訴える楽しみだ。

トランクに丁度収まるように、クアトロポルテ専用にデザインされた、フルレザーのラゲッジセット 441,000円! 撮影:松本明彦

また高級感溢れるローズウッドは、センター・コンソールは縦に、ドアパネルは横に木目を使い分けている。これはまるでラグジュアリー・クルーザーのようだ。そしてマホガニーは特有の木目を活かし、キャビンの両側で意図的に木目の方向を変える事で、アンティーク家具を髣髴とさせる。クルーザーもアンティーク家具も、クアトロポルテのオーナーが所有している事を想起させるものだ。つまりはクアトロポルテは、それらを所有するオーナーをも十二分に満足させるセンスのクルマなのだ。
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