中古車には定価がありません。一見同じカタチのクルマでも、搭載エンジンや装備、また年式や走行距離といった条件によって販売価格は変わりますし、なんと言ってもお店が違えば価格付けのロジックも様々。でもその一方で「このクルマの相場はこんなもの」とか、「相場よりはだいぶ安いよ」なんて会話もよくなされます。ところで、中古車の相場ってどうやって、誰が決めているのでしょう?

おそらく、20年前には中古車に明確な相場というものは存在していなかったでしょう。当時は中古車を流通させるシステム自体が未整備で、また販売店を一軒一軒回る以外には、似たようなクルマの価格を比較することすらできなかったため、「このクルマはいくらが妥当」という基準が不明確だったからです。
中古車情報誌が創刊するようになると状況が変わります。同一車種は横並びで比較されるようになり、販売店も他社の販売価格への意識が高まりました。結果的に「この条件のクルマだったらこのくらいの金額だよね」という共通認識が、販売店にもユーザーにも生まれます。こうして車種ごとの中古車相場が形成されていったのです。

具体的に言うと、A店では100万円で売っているスカイラインが、B店では80万円で売っていたら、スカイラインを探していたユーザーはBへ行き、80万円スカイラインはあっという間に売れます。するとA店では、スカイラインは100万円では売れないと判断して90万円に値を下げて展示し、B店ではもう少し金額が高くても売れるのではと思って次に仕入れたスカイラインには90万円の値をつける、といった具合に、一定の金額に収斂されてゆくということですね。
もちろん実際にはピタリと同じ条件のクルマはないし、お店自体の販売条件などにも差があるので「このクルマはこの金額」ではなく「このクルマはこの・・・くらいの金額」、つまり相場ということになるのです。

ゆえに、相場を決めているのは販売店だと思われがちですが、実際は買う側なんですね。人気のある中古車の相場は高値を維持するし、あまり人気のない中古車は相場が値崩れするということです。
実際には、ほぼ同じ条件の中古車でも、色が違うだけで10万~30万円差とか、MTかATかで10万~30万円差とか、走行距離の多少で10~30万円差とか、とにかく条件によって販売価格が異なる場合もあるため、同一年式の同一車種の同一グレード車でも相場には幅がありますが、それらもすべて中古車市場での人気の有無に拠ると思ってください。需要と供給の原理って、こんなところでも働いているんです。
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