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質実剛健なクルマ造りが光る オペル アストラワゴン試乗記

アストラワゴンは、昨年発売されたアストラ(ハッチバック)のワゴン版です。ホイールベースを90㎜、全長を265㎜も延長することで、実に広大なラゲッジスペースを作っています。

執筆者:松下 宏


リーズナブルな価格で買えるヨーロッパのステーションワゴン

アストラワゴンは、昨年発売されたアストラ(ハッチバック)のワゴン版です。ホイールベースを90mm、全長を265mmも延長することで、実に広大なラゲッジスペースを作っています。

上のシルバーの写真は1.8リッターのスポーツだが、写真下の黒いボディの2リッターターボを搭載した6MT専用グレードも用意されている
聞くところによれば、クルマのボディタイプとしてステーションワゴンを考え出したのはオペルとのこと。1953年にオペルが発売したレコルト・オリンピアがそのルーツになるそうです。実に50年を超えるワゴンの歴史を持つのがオペルというワケです。ステーションワゴンを意味する言葉としてキャラバンが使われることがありますが、これもカー&バンから作ったオペルの造語だそうで。

アストラワゴンのラゲッジスペースは広くて、ホイールハウスのの出っ張りのないスクエアなものになるのと同時に、2列目のシートをダブルフォールディングで倒すと、最大で1590Lもの広大な空間が生まれます。さらに助手席のシートの背もたれを倒せば、2.7mの長尺物も積載することが可能です。ラゲッジスペースを仕切る各種のネットやデバイダーも合わせると、本当に使い勝手の良いクルマになります。

走りに関しては、基本的にハッチバックと変わりません。ホイールベースが90mm長くなったことで、直進安定性が高まると同時に乗り心地なども改善されていますが、走りの軽快さなどはハッチバックと同じ感覚です。ボディの拡大による重量の増加も走りに影響を与えるほどではありません。重量に合わせてサスペンションを強化するなど、さまざまな改良が加えられているためでしょう。

ラゲッジは張り出しがとても小さく積載性は抜群にいい
1.8Lの自然吸気エンジンは125ps/170N・mのパワー&トルクですから、数値的には大してたことがないように思えますが、実際に走らせると中低速域のトルクと吹き上がりのスムーズさによって不満のない性能を発揮します。2Lターボは200psのパワーと262N・mの圧倒的な実力を発揮します。6速MTと組み合わされているので、一段とスポーティな走りが可能です。

スポーツ系のモデルには、スポーツモードスイッチが設けられていて、このスイッチを押すことによって、ショックアブソーバーの減衰力がハードになるのを始め、低いギアで高回転まで引っ張ったり、ステアリングとアクセルのレスポンスがシャープになるのはハッチバックと同じです。

ハッチバックでは標準モードとスポーツモードの違いがあまりはっきりしない印象もありましたが、今回のワゴンではそれが極端なくらいにメリハリの効いたものになっていました。時速100km以下の領域では、2速までしか入らないというのはちょっと極端な用にも思えますが、メリハリを効かせるのは良いことです。

価格的な割安感もハッチバックと同様です。ハッチバックに対して15万円高の設定ですから、実にリーズナブルな価格で買えるヨーロッパのステーションワゴンです。オペルというと、まだブランドイメージが確立しきれていないところがありますが、クルマそのものはどんどん良くなっています。小型ワゴンを買うときの大きな選択肢のひとつであるのは確かでしょう。

関連サイト
オペルアストラワゴンオフィシャルサイト
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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