このほかシート形状の変更や10色のボディカラーの設定などがマイナーチェンジのポイントですが、魅力アップに対応して価格的にはやや高くなりました。これまでのカングーが175万円だったのに対し、新しいカングーはハッチバックドアで192万円、ダブルバックドアでは195万円の設定です。エンジンもボディも新しくなったので、当然といえば当然ですが、約20万円高というのはマイナーチェンジにしては大きな価格差といえます。
また今回のマイナーチェンジで設けられたフロントが固定式のガラスで後部が開閉式のキャンバストップとなるパノラミックサンルーフには13万円のオプション価格が設定されています。これも含めた車両価格は200万円を超えることになります。
ライバル車としては、輸入車ではフィアットのムルティプラがありますが、これはボディが大きいものの同じ1600ccでマニュアル車だけの設定なのに、価格は249万円とかなり高くなります。それと比べたらカングーが割安であることが良く分かります。
国産車ではファンカーゴやモビリオ・スパイクなどがライバル車になりますが、価格的にはカングーのほうが不利になるのは避けられません。デザイン的な特徴やフランス車であることなどによって、どこまで優位性を保てるかというところです。
カングーはドアの内張やピラー部分が完全なフルトリム化はされておらず、鉄板がむき出しの部分もあります。ヨーロッパではこうした仕様も当たり前なのですが、日本では安っぽく感じられてしまいます。これらを含めてどう判断するかが購入を決めることになります。これまでのモデルに比べたら格段にお勧めできるクルマになりましたし、輸入車の中ではかなり魅力的なクルマですが、国産車との比較では簡単に優位に立てない面もあるからです。