ルノーのカングーがマイナーチェンジされました。カングーは言ってみれば、日産のAD-MAXなどのような背の高いライトバンなのですが、日本ではちょっとオシャレな乗用車感覚のクルマとして人気を集めてきました。昨年4月から今年3月までの1年間に983台も売れたそうですから、トータルするとすでに1000台を超える売れ行きで、ルノーのベストセラーカーといえます。今回、そのカングーがマイナーチェンジを受け、乗用車感覚を強めたモデルに仕上げられました。
マイナーチェンジでの変更のポイントは、まず外観デザインです。これまでのモデルはフロント回りのデザインがシンプルなもので、いかにも商用車感覚の仕上げでした。今回のチェンジでフロント回りのデザインがルノーの乗用車系のものと共通したイメージに変更されました。いかにもルノーといった感じの仕上がりです。
ボディに関しては後部のバックドアが、従来のハッチバックタイプのものに加え、新しく観音開きタイプのものが追加されました。このダブルバックドアがなかなかの優れモノです。左右非対称の観音開きなのですが、狭い場所では少しだけ開いて荷物を出し入れすることが可能なほか、ボディの側面から真っ直ぐに90度まで開く状態でストップし、さらにロックを外すと180度まで全開になる仕組みです。全開にすれば大きな荷物も楽に積み卸しが可能です。ハッチバックドアに比べるとダブルバックドアは車両価格が3万円高い設定ですが、使い勝手を考えるとこちらがお勧めでしょう。
このほか搭載エンジンも変更されました。従来の1400ccのSOHCから1600ccのDOHCに変更され、パワー&トルクの性能が大きく向上したほか、最高出力や最大トルクを発生する回転数が500回転ほど低くなり、静かで力強い走りが可能になりました。静粛性に関しては熱心な防音対策が行われたこともあって、室内空間はかなり静かなモノになりました。動力性能もトルクの余裕が大きくなったことで、街中での扱いやすさなどは一段と高次元に達しています。高速での追い越し加速なども余裕が生まれたので、実に気持ち良く走らせることができるようになりました。