7月末に発売された新型フェアレディZは8月末までに国内の受注台数が5000台を突破するなど、スポーツカーが受難の時代にもかかわらず、実に好調な売れ行きを示しています。現在までのところでは、45歳から54歳くらいまでの年齢層が需要の中心で、バージョンTが売れ筋グレードで、AT車の比率が55%に達しているとのことです。これをベースにフェアレディZの買い得グレードが何かを考えてみましょう。
私はすでにフェアレディZが発売された当初に、フェアレディZの狙い目グレードという記事をアップしましたが、実際に試乗した後になると印象が変わった部分もあります。そのあたりを中心に紹介しておきたいと思います。
まずフェアレディZのバリエーション構成ですが、ベースモデルの6速MT車が300万円ちょうどで、5速AT車が310万円。ラグジュアリー志向のバージョンTはそれぞれ30万円高の330万円と340万円になります。スポーティ志向のバージョンSも30万円高だが、こちらは330万円の6速MT車だけの設定です。ラグジュアリー志向とスポーティ志向の両方の装備を備えたバージョンSTはやはり6速MT車だけの設定で両方を合わせた360万円となります。まあ分かりやすいといえば分かりやすい価格設定です。
まずスポーツ志向で行くか、ラグジュアリー志向で行くかという選択がありますが、これは好みで考えてもらうしかないでしょう。今の時点でラグジュアリー志向のバージョンTのほうが良く売れていて、AT車の比率が高いのは、ユーザーの年齢層が高いことも関係しています。両方を合わせてバージョンSTというのもありますが、これはSが入っているために6速MT車だけの設定。どちらかといえばスポーツ志向の色彩が強いモデルです。フェアレディZならあえてこれを選んだら良いというのが発売当初の私の印象でした。
バージョンSはベース車に対してタイヤ&ホイールのサイズが17インチの50から18インチの45になるほか、ブレンボ製のブレーキシステム、VDCが標準装備されます。ブレンボのブレーキだけでも30万円分以上の値打ちがありますから、このバージョンSはけっこうというか、相当に割安なグレードと言うことができます。
逆にラグジュアリー志向のバージョンTは、本革のパワーシートとBOSEサウンドシステムが追加されます。これもまあ30万円分くらいの値打ちがあるでしょう。