いま、日本のクルマの売れ行きはコンパクトカーが中心です。そのコンパクトカーのジャンルに、今年はマーチ、イスト、デミオの3車種が登場しました。この3車種の中でどれが最も買い得か、じっくり研究してみたいと思います。
まず売れ筋モデルの価格を比べてみましょう。マーチは1200ccの12Cが109.5万円、イストは1300ccのFが125万円、デミオは1300ccのコージーが123.5万円、カジュアルなら114.5万円です。表面的な価格ではまずマーチの安さが目に付きます。エンジンの排気量が100cc小さいこともありますが、取り敢えず表面的な価格は排気量の差以上に安めの設定です。
マーチ12Cの装備を見ると、エアコン、パワステ、パワーウインドー、集中ドアロックなどの快適装備が標準で、オプションで装着したいのは電動格納式カラードドアミラー(4万円)、インテリジェントキー(3万円)、オーディオ(4.7万円)などです。SRSサイドエアバッグとカーテンエアバッグのセットはやや高くて9万円で、ここまで装着すればまあOKでしょう。合計で130.2万円という価格になります。さらに4.9万円で装着できるカーウイングスを装着するのもひとつの方法で、合計車両価格は135.1万円です。
イストは125万円のFではなく、130万円のF Lパッケージを選ぶと、オプションで装着する必要があるのはSRSサイドエアバッグ(3.5万円)くらいです。オーディオや電動格納式カラードドアミラーなどは標準装備されるからです。インテリジェントキーの設定はありませんが、それ以外ではマーチと同等の装備を持っていて、排気量が大きいイストのほうが心持ち高めの価格設定ですから、実質的にはほとんど互角と考えていいでしょう。
デミオはどのように選ぶかが問題になりますが、価格重視で選ぶとしたら1300ccのカジュアルがターゲットです。AT車で114.5万円とフィットのAとまったくの同価格が設定されています。オプションはまず安全装備のDSC(6万2000円)とカーテン&サイドエアバッグ(6万5000円)を装着します。これで127万2000円ですが、オーディオが標準装備なのでこれでもOKという感じです。ほかの車種にはない横滑り防止装置のDSCの装着が可能でこの価格なのですから、これは十分に納得モノといえるでしょう。
ただ、デミオではホワイトのキャンバストップが魅力で、これを装着するには123.5万円のコージーを選ぶ必要があります。さらに前述の安全装備がふたつで12.7万円、ホワイトのキャンバストップが10.6万円、スーパーコージーまで選ぶとこれが8.5万円で、合計の車両価格が155.3万円になってしまいます。1300cc車の価格ではなくなりますが、品質感などを考えるとこれもけっこうお勧めの仕様です。スーパーコージーを外した仕様でもいいでしょう。
これらをトータルして考えると、3車種の中で最も割安なのがデミオのカジュアルですが、デミオでもコージーを選ぶとやや高くなります。またマーチとイストはほぼ互角と考えていいでしょう。