フランス車らしさとはなんなのか? この国のクルマに数多く乗ってきた経験からいえば、コンパクトカーにおいては、デザインは独創的かつ実用的、走りは軽快かつ快適で、そこにお洒落で可愛らしいエッセンスを取り入れたもの、といえるかもしれない。つまり楽しいのは走りだけじゃなく、見て、使って、乗って楽しいクルマといえる。
独創的というのは、今回取材した3台、プジョー1007、ルノー・カングー、シトロエンC3プルリエルを見てもらえばわかるだろう。同じクラスでありながら、ここまで見た目がバラバラ。しかも1007は両側電動スライドドア、プルリエルは格納式キャンバストップ+リアウインドーに脱着式サイドアーチを持つオープンボディと、他に例を見ない構造の持ち主。誰が見ても、ほかと違うと思うはずだ。
このうち1007の両側電動スライドドアは、リモコンキーを押すだけで、ドアに手を触れずに運転席に乗り込めるという点では実用的でもある。そしてカングー。1.8mの全高が生み出すユーティリティは抜群だし、高いルーフを生かした頭上のトレイやボックスも重宝する。カメラマンに愛用者が多いのも納得だ。プルリエルにしたって、このクラスのオープンカーとしてはリアシートが広く快適で、4人乗りのサルーンとして使える点は実用的といえる。