ターボエンジンは当面3ドアのみに搭載される。そのボディは、吊り上がった目と大きな口からなるアグレッシブな顔つきは407や307を思わせ、長さ4m、幅1.7mを越えたボディサイズは206よりひとまわり大きいが、全体的な雰囲気は206に似ている。ただ実寸以上に大きく見えるのは前作とは違う点で、ほぼ同じサイズのルノー・クリオ(日本名ルーテシア)より車格が上に感じる。
インテリアに入ってまず気づくのは、仕上げが206よりはるかに上質になったことと、奥行きのあるインパネと低いウエストラインのおかげで開放感にあふれることだ。ここでも大きなクルマに感じる。シートはスポーツタイプで、クッションは固めだがサイズはたっぷりしており、左右のサポートもいい。リアはとくに左右方向の余裕を感じた。こちらもシートサイズは大きく、折り畳みはダブルフォールディングと、イスとしての機能に手抜きがないのはさすがだ。
走り出して最初に気づいたのは、206とは別次元といえる静かさとなめらかさ。BMWが開発にからんだエンジンはさすが違うと思ってしまった。しかもターボの段つきがほとんどない。2000回転以下からなだらかに過給が立ち上がるので、その後はどこから踏んでも、自然吸気を思わせる素直なレスポンスを返しつつ、2リッター級の強力なダッシュをもたらしてくれる。
それでいて、回転が落ちてもアクセルを踏み込めば過給の威力で速度をスルスル上げていけるのは、ターボならではのメリット。トランスミッションは5速MTのみで、206よりしっとりしたシフトタッチを持つのだが、それをひんぱんに操る必要はなく、高速道路は5速、山道は3速に入れっぱなしで、ほとんどの場面をこなすことができた。