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クリオで楽しむ、フランスの日常(3ページ目)

クルマも、ファッションも、フランスは日常こそが楽しい。そんなシーンを探しに、クリオ・イニシャル・パリでシャンパーニュからノルマンディーへ。平出亜希さんのドライビングエッセイ。

執筆者:森口 将之

日常に宿るフランスのエスプリ



ノルマンディーのどんよりと厚い雲間から射す光が導いてくれたのは、ドーヴィル-トゥルヴィル。ここは高級リゾート地としてはもちろんのこと、映画『男と女』の舞台としても有名な街だ。オフシーズンのこの時期はクローズしているホテルも多く、海もまだ荒涼としていた。カフェで海を臨む通りを眺めているとトレンチコートを纏った大人のカップルが通り過ぎる。ここ、トゥルヴィルはトレンチが似合う大人のリゾートといったところだ。



この街には、シンプルなリゾートウエアがディスプレイされたベンシモン(BENSIMON)のショップがあった。ナチュラルな風合いと素材感のこのブランドのスニーカーはパリジェンヌ御用達。昨年のパリプレタでは、カシャレルやゴルティエといった有名デザイナーがデザインを施して展示するなど、永遠のトレンドアイテムでもある。今回はシックなカラーのバックスキンタイプを購入。25年前から変わらないクタッとしたこのデザイン、おしゃれなだけでなくって足首をキュッと細く見せてくれる上、リーズナブルなプライスも嬉しい限り。



早速、素足にひっかけて出かけたのがマルシェだ。新鮮で色鮮やかな野菜や肉、パン、チーズをはじめとする乳製品、シードルといった私の大好物が所狭しと並ぶ。マルシェにはフランスの日常の豊かさがたっぷり詰まっている。そしてマルシェでの何よりも楽しみは、買い物客のマルシェ・バッグ(カゴ)を見ること。季節や装いに関係なくマッチしているところに、キュートな存在感がある。



パリに軒を連ねる伝統的な高級ブランドショップのアイテムが素敵なのは否めない。しかし、フランスの本当のエスプリは、ベンシモンのスニーカーやマルシェ・バッグのように、肩の力の抜けた日常に宿っているように思える。けして高価ではないけれど使い勝手が良く、トレンドにも左右されないさりげなくもおしゃれなアイテム達。コンパクトで機能性に優れつつ、なんだかカワイイ――このクリオにも、同様の魅力があるのではないだろうか。フランスの日常の豊かさに根付いたコンパクトカーのエスプリ。クリオの魅力を改めて感じつつ、マルシェで購入した程よく塩味が効いたバゲットをかじりながら、憧れのモン・サン・ミッシェルへとクルマを走らせた。

平出亜希(ひらいで・あき)さんのプロフィール
フリーランス・エディター&ライター。ベル・エポックのパリに魅せられて以来、フランス文化に興味を持つ。現在はライフスタイル誌や女性誌を中心に、クルマや旅をはじめライフスタイル全般の記事を編集、執筆。

リンク
ガイド記事:ニューモデル速報:新型クリオ、デビュー!
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