エンジンは1.6VTR用をベースに、カムシャフト、インテークマニフォールド、インジェクション、エキゾーストを専用とすることで、最高出力は110ps/5750rpmから125ps/6500rpmに、発生回転数ともどもアップ。ただし最大トルクは15.3kgm/4000rpmから14.6kgm/3750rpmに、少しダウンしている。VTRではセンソドライブだったトランスミッションは、同じ5速ながら3ペダルのMTになった。
VTRのエンジンが、3000rpmあたりでアクセルを踏んだときのパンチが心地よいのに対して、こちらは4000rpm近くからレブリミットの7200pmまでの、スーッと軽い吹け上がりが気持ちいい。低回転での扱いやすさは犠牲になっておらず、加速そのものもそんなに差はないが、回す楽しさはこちらが上だ。排気音がフォーンと心地よくなったのもVTSユニットの特徴。オールラウンドな性格はそのままに、スポーツマインドを少しトッピングした感じだ。
メーターパネル内にはシフトアップインジケーターがあって、6000rpmあたりでオレンジに点灯し、7000rpmが近づくとそれがレッドに変わるという2段階だ。シフトタッチは同じ1.6リッターエンジンを積むプジョー206に似ていて、剛性感はあまりないものの軽いタッチでスッスッと操作できる。3つに増えたペダルのオフセットはVTRと同じようになく、理想的なポジションがとれた。