でも実際の加速は、全然不満がなかった。上り坂ではアクセル全開になることが多くなるが、ひとりで平地を走る限りでは余裕すら感じられる。流れに乗るなら3000回転ぐらい回せばだいじょうぶ。1.8リッターじゃないかと思うほどだ。サウンドは2リッターと同じように快音というわけではないけれど、小排気量らしく少し滑らかで軽快になっていて、高速道路ではむしろ静かに感じるほどだった。
試乗車は走行距離が約100kmという「おろしたて」だった。そのためもあって、サスペンションの固さは2リッターとほとんど同じに感じられた。でも乗り心地は、それよりマイルド。タイヤが2.0の205/55R16、2.0プレミアムの205/50R17に対して、195/65R15と細くて高さのあるサイズになったおかげだ。とくに段差などのショックをやわらげてくれて、フランス車らしい優しさがアップしている。
パワーステアリングは2リッターに比べると、低速でもしっとりとした重さが感じられて、個人的に好感が持てた。そのステアリングを切って試したコーナリングは、フロントが軽くなったおかげで、動きが軽快で自然になっている。タイヤのグリップそのものは2リッターのほうが上だが、こちらのほうが楽しかった。
自分にとってのメガーヌはやっぱり1.6が本命だった。心配された加速は問題なく、あとはインテリアや乗り心地、ハンドリングなど、2リッターよりいいと思える部分ばかりだった。しかも価格は2.0が253万円、2.0プレミアムが278万円なのに対し、220万円とかなり安い。このあとワゴンやルノースポールなど、いろいろなバリエーションが追加されるようだが、現時点でのベスト・メガーヌは間違いなくこれだ。
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