パリサロンで世界初公開されるもう1台のモデルがC-エアドリーム。こちらは今のところ市販予定のないコンセプトカーだ。シトロエンとしては1970~75年に存在したマセラティ・エンジンのグランドツアラーSM、88/90年に発表された最新テクノロジーを満載したコンセプトカーのアクティバ/アクティバ2に続く2+2クーペとなっているのが特徴だ。
フロントマスクは99年に発表された次期ビッグセダンのコンセプトカー、C6リナージュに似ている。でもいちばんの特徴はドアから後ろだろう。サイドウインドーは大きく内側に絞り込まれ、一方ガラスルーフはリアまでほとんどまっすぐ伸び、垂直にカットされたリアパネルがリアウインドーを兼ねている。絞り込まれた台形のリアまわりを見て、SMを思い出すのは僕だけではないだろう。Cd値は0.28と発表されている。
メカニズムの特徴は、ドライブ・バイ・ワイヤー・テクノロジーを積極的に投入していること。ブレーキやステアリングを電子制御でコントロールするという。ハイドロニューマチックを電気に置き換えたような感じだ。こうしたテクノロジーはかつてのアクティバ・シリーズでも試されていた。SMを含めて、シトロエンのクーペはエンジニアズ・ドリームカーとして位置づけられているようだ。