ルノー/その他のルノー車

ロードインプレッション・海外編 クリオ1.5dCiに乗って考える(3ページ目)

現在日本で買えないフランス車のひとつにディーゼルがある。そのうちの1台、ルノー・クリオ(日本名ルーテシア)の1.5dCiに乗ったので、ディーゼルについての考えを交え綴っていこう。

執筆者:森口 将之

ガソリンエンジンに劣っているところとしては高回転がある。レブリミットは4750回転ぐらいで、4000回転を越えると吹け上がりが鈍ってくる。でも普通のペースで走る限り、そこまで回す必要はまったくない。音は好き嫌いが分かれるかもしれないが、扱いやすさではガソリン車より全然優れている。これで燃費が良いのだから、多くのフランス人がこちらを選ぶのは当然だ。


僕はディーゼル擁護派の人間ではない。ガソリンとディーゼルにはそれぞれ良い点、悪い点がある。国土が狭くてクルマ密度が高く、渋滞が多くて平均速度が遅い日本のような国は、CO2の排出量が少ないというディーゼルの長所よりも、NOxやPM(粒子状物質)を多く排出するという短所が目立ってくる。ディーゼルが環境に優しいというヨーロッパの主張を、そのまま日本に当てはめるわけにはいかない。


ただフランスでは、たとえクルマであふれるパリ市内でも、ディーゼルにつきものの黒煙や匂いは気にならない。石油会社が良質な軽油を供給し、メーカーが環境に優しいエンジンを開発するとともに、不正軽油や違法改造などをなくせば、欠点はかなりの程度で克服できるのだ。それにディーゼルのほうがクリーンだといいながら、ガソリン車も販売している。

日本がディーゼルに不向きな国なのは分かるが、「エンジンが選べる」ヨーロッパの状況がうらやましい。そう思わせるほど、クリオ1.5dCiのポテンシャルは実用車として優れていた。
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