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販売のカンフル剤になるか、赤い線の限定車 リネアロッサは買いか否か?

フィアットオートジャパンが先だって発表して156&147シリーズの限定モデル“リネアロッサ”に試乗した。黒いボディの赤内装はステキだが・・・

執筆者:西川 淳


VWゴルフ
1473ドアのリネアロッサ。ベース車+22万円という車両本体価格設定だ


156系はV6+Qシステムが+19万円(税抜き)、その他が+22万円という設定だ。
フェイスリフトした156シリーズの評判が芳しくなく、ドル箱である147シリーズにも元気がなくなってきた。限定車リネアロッサ(イタリア語で赤い線)はそんな両シリーズのために日本市場専用に作られたモデル。言ってみれば日本側が企画したオリジナルモデルである。

“特別”な内容は両シリーズとも共通だ。147の2.0ツインスパークモデル系と156&スポーツワゴンのJTS&V6モデルに設定された。価格設定は156のV6モデルでベース+19万円、その他で+22万円(いずれも車両価格にプラス)である。

エクステリアではまずボディ色はブラックのみ(147はルクソアブラク、156系はキャラミブラック)で、ここに車名の由来となる赤い線が入る。リリースでは“エンハンス・キャラクターライン”と格好良く謳ってはいるが、何のことはない赤い線のシールだ。

黒に赤い線をどう捉えるかは好みの問題なのであえて言及しないが、問題は質感の悪さ。ちょっとツメを立てれば剥がれそうなシロモノで、イタリアらしい繊細さがない。赤いラインだけ細くペインとされていれば、もう少し見え方も違ったことだろう。ひょっとすると“積極的に剥がしましょう”サインなのかも・・・。その他、エクステリアではリアに赤縁取りの専用“リネアロッサ”バッチとショートアンテナが付く。

赤いラインと17インチホイール、そしてPゼロ・ネロ。これがイマイチ・・・


17インチの専用デザインホイールにピレリPゼロ・ネロの215/45R17を履く。はっきり言ってこれはオーバーサイズだ。147のリネアロッサで1000キロほどドライブしてみたが、とにかくパワーがタイヤに食われている。これじゃこのクラスのアルファの身上であるワインディングの楽しさが完全にスポイルされている。もう少しパワーのあるエンジンだったら、楽しさがステップアップしたと思えるのだが。さらに、高速ドライブ時の騒音や振動がひどく、安定感に欠ける。はっきり言って現代レベルではない。


156系のインテリア。ドアにも赤いレザーが入る。147はシートのみ
エクステリアと動力性能の面では、とてもじゃないが“買い”とは積極的に言えない。しかし、インテリアは個人的には刺さる。こういう派手な内装はイタリア車でないと、なかなか素直に乗れないと思うからだ。ただし、レザーの質感はイマイチ。張りも強すぎて長時間ドライブでは疲れも出る。

インテリアにはその他、専用のシフトノブやブーツ、パーキングブレーキとブーツを備える。

シフトノブが専用デザインになっている
さて、そろそろ結論と行こう。果たして+22万円(156V6は+19万円)のリネアロッサは買いかどうか。個人的にはNOだ。あまりに走りのバランスが崩れていて、現代アルファらしい楽しみ方ができない。特に147のリネアロッサはひどい。

もっとも黒赤の仕様に心が動かされるのも事実。できればこの仕様をフツウのモデルで味わわせて欲しい。もしくは赤い線とホイール&タイヤをレスオプションにして・・・。それじゃ、特別限定車の元も子もなくなるか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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