アルファ156シリーズがデビューしたのは97年のこと。M・ベンツCクラスやBMW3シリーズといった強力なライバルがひしめく欧州Dセグメントに向けて投入された。
現代の名匠ヴァルター・ダ・シルバ(現アウディ)渾身のスタイリングを纏って登場するや、それまでの155シリーズがどちらかといえばドメスチックなクルマだったのとは対照的に、ワールドワイドで大人気を博した。なんと仕向先はアッセンブリー生産するタイを含めて全世界80ヶ国におよび、今年までの生産台数は54万台以上。
日本市場でも1.4万台近くのセールスを記録している。特に昨年度は大前年49%の大躍進を遂げたこれには147の登場が大きく寄与しているのだが、マニアのためのクルマといった印象が強かったアルファロメオを広く一般のクルマ好きにまで認知させたという点で、156シリーズの果たした功績は大きい。そして、高い人気の理由がスタイリングの妙味にあるということは誰も否定しないだろう。
↑イタルデザインのエントランスに集合した試乗車
そして、マイナーチェンジモデルにも関わらず、試乗会のためにアルファが世界のジャーナリストをイタリアに招いた理由も、やはりそこにある。試乗会会場となったのはトリノ近郊にあるイタルデザイン。そう、巨匠G・ジウジアーロの本拠地であった。つまり、156のリスタイリングはイタルが行った、ということなのだ。
↑デザインについてプレゼンするGジウジアーロ氏
新しい156シリーズの顔だちを見て、あるクルマを思い出した人も多いのではないだろうか。アルファ×イタルデザインのコンセプトカー、ブレラである。ニュー156のフロントフェイスはほとんどブレラと同じ構成要素で成り立っているのだ。
↑手前が新型156で奥がブレラ。顔の相似が分かる