高級グランツーリズモのマセラティ3200GTがマセラティクーペという名前となって生まれ変わった。最大の変更点は、パワーユニットを先ごろ発表されたスパイダーと同じV8自然吸気4.2Lエンジンとしたことだ。
総重量184という軽量な90度V8エンジンが発揮するパワーは390bhp/46kgmと強大なもの。点火システムはボッシュME7.3.2システムを採用する。3200GT同様に6速マニュアルミッションが標準装備となるが、クーペもハンドル裏側のパドルを操るF1方式のギアシフト”カンビオコルサ”を採用したのもニュースだ。
フロントボンネットのデザインが変更されると同時に、リアランプデザインはコンサバティヴな三角形となり、3200GTのアイデンティティであった薄い棒状の垂れ目デザインは不採用となった。
その他、マンネスマン・ザックス製のスカイフックサスを採用するなど、スパイダーと同様の性能を手に入れたと考えるのが手っ取り早い。ボディカラーは全16色。10色の本革内装と5種類のフロアマットを選ぶ事ができる。
スパイダーとともに来年、久方ぶりのアメリカ市場への復活が予定されている。
個人的にはこのクーペの登場で、3200GTを乗る意味も出てきたと思うがどうだろう。つまり、まるでフェラーリのような音を発するV8エンジンは捨てがたいのだけれど、あの個性的なリアスタイルは未だに所有欲を駆り立てる。中古車価格もこなれているから、あえて3200GTを選ぶのも手、ということだ。
もっとも、青空を手に入れるなら、あのテールランプを我慢して新車のスパイダーを買わざるを得ないけれど・・・。
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