外観上では、フェラーリ伝統の格子グリルを真似たフロントマスク、星形のアロイホイール、ピンストライプ、そして可動式トランク内臓型リアウィングがノーマルテーマと違う点。
インテリアはさらに様相を異にしており、特にポルトラナフラウ社の豪奢な革張り仕様は、応接セットのような面持ちだ。
そんなハチサンニ。どうして、かぐわかしくてあぶなっかしい、か。それは一にも二にも“フツウに乗る”ことの難しさ、もしくはそうウワサされていること、にある。曰く、夏は乗れない、すぐ壊れる、内装とエンジンだけのクルマ、エトセトラ。
このエトセトラをケセラセラと宣える御仁だけが、買うことを許される、そんな究極の泥沼イタリアンカーだ。
A君は、ケセラセラをご自身で許された数少ない御仁だ。ひょっとして極楽ナチサンニ生活が待っているかもシレナイ。定説を覆して、前置きフェラーリサウンドを毎日堪能出来るかもシレナイ。ボクはそんな思いで彼の納車に立ち会った。