わずか13秒でキャビンが景色と一体化
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フロントマスクでは、HIDヘッドランプが全モデルに標準装備されたほか、ギャロッピングホースのエンブレムが、マスタングの45年の歴史の中で初めて手が加えられ、エッジを際立てたシャープなデザインにされています。また、V8モデルとV6モデルでフロントバンパーやフロントグリルを専用デザインとするなど、従来よりも大きく差別化されています。
インテリアは、左右対称で水平基調のインパネや、3本スポークのステアリングホイールなど、基本的な要素は先代を踏襲しながらも、全体的にカドを丸めた柔らかな形状としたほか、ソフトな感触のパッドを採用し、チリの合わせを緻密にするなどしたことで、従来よりも質感がグンと上がっています。シートも高品質なレザーにステッチを配した、上質なバケットタイプのスポーツシートが与えられています。
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ドライビングポジションからの眺めでは、エンジンフードのパワードームが印象的。今回試乗したのはコンバーチブル。ソフトトップには、これまでどおり5つ折りのZフォールド・トップが採用されています。オープンにするには、フロントスクリーンの上端の左右のレバーを開放し、ルームミラーわきのボタンを押せば、あとは電動で、わずか約13秒でキャビンは景色と一体となるのです。
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ソフトトップは約13秒で電動開閉が可能。オープン時にはリアシートの後方へボディラインに沿って収納され、開放的なスタイリングを実現 |
イグニッションを捻ると、猛々しいサウンドとともに目覚めるエンジンの、まずこの感覚が好み。V6もV8に負けず劣らずワイルドな雰囲気を持っていて、いかにもマスタングに似合う響きのサウンドを持っています。低速域から力強いトルクを発生し、スルスルと速度を高めていく感触は、最近の日欧車に多いロップアップを重視したATに比べるとルーズな印象ではありますが、それがまた運転しやすくてイイのです。
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